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恋する勇気

好きで好きで、大好きでたまらなくなって、
抑えきれなくなって、決心して頑張って勇気を振り絞って告白したとき、
「ボクじゃキミを幸せにできないと思う、自信がない」
そう言って受け入れてくれなかったから、好きだと言ってくれるひとを選んだのに。
ダメになってひとりになって、やっと立ち直って、強くなろうって、これからって言うときに、告白してくる彼……。

何をいまさら考えているんだろう。
もう、男の人に甘えないって決めたのに、ひとりで強く生きてくって決めたのに、
彼に甘えたくなってしまいそうになる。また弱い私に逆戻りしてしまいそうになる。

一生守るとか、幸せにするなんて言葉は嬉しくないわけじゃないけれど、一度失敗している私は、すぐには信じられない。
結婚は、いい事ばかりじゃないってわかってると彼は言ったけれど、一度も結婚したことのない彼には、何となくわかってるつもりなだけだと思う。
困難も二人で乗り越えようって言ったって、困難にぶつかったとき、逃げないで対処していけるのだろうか。

そんなことを考えて考えて、考えすぎてしまうから。
壊れることばかり考えてしまうから。
本当はあなたに飛び込みたいのに、飛び込む勇気がなかなか持てないんだろう。

欲しくないプレゼント

「好きなの選べよ」

笑顔で彼に促された私は、高級そうなジュエリーショップの

ショーケースの中で光る、たくさんの指輪を眺めた。

彼と付き合い始めて以来、たくさんのプレゼントを貰っている。

誕生日やクリスマスでもない、記念日でなくても普通にプレゼントを

してくれる彼のことを、最初は優しいいいひとだと思ってた。

けれど、つきあって行くうちにだんだんそうじゃないことがわかってきた。


悪く言いたくないけれど、かなり浪費家なのだ。

このまえ、彼の部屋で見つけた携帯電話会社からの

督促状とカードローンの請求書。

こんな高級指輪を買ってくれようとする気持ちは嬉しいけれど、

お金を使う順番が違うと思う。

払うべきものはちゃんと払わなきゃいけない。

払えないなら、買ってはいけないのだ。

「迷ってるの?」

なかなか決めない私の顔を覗き込んで彼は言った。

「じゃあこれにしろよ」

彼の指差した先で、きれいなプラチナリングがきらりと光る。

「え、でも高いよ。こんな高いのもらったら悪いよ」

「いいっていいって」

私が断るのも無視して、彼は指輪を買ってしまった。

そう。カードで…


本当は私、ずっと欲しい指輪があったんだ。

ガラスのショーケースにも入っていない、お気に入りの雑貨屋で

見つけた1200円の値札がついた指輪。

プラチナでもなく、ダイヤモンドでもない。

その銀色の輪についたピンクのガラス玉がとても可愛くて、

とても欲しかったけれど、私にとって1200円は買うのに迷うほどの金額だった。


彼とは価値観が違う。

特に経済観念が、まったく反対なのだ。

最初は小さな「あれ?」だったけれど、それはだんだん

積み重なって大きな溝を作った。

彼は私と結婚したいと言ってくれるけれど、

私は彼と結婚する気はなかった。

たくさんのプレゼントをもらっても、そこに彼の誠意が感じられない。

欲しいのは「物」ではなかった。

それがわからない彼とは、結婚したって上手くいくはずがないと思う。

だけど、あんなにたくさんプレゼントをくれたのだ。

だから私も彼に、お返しをしたいと思っている。


たぶんもうすぐ、私は彼にプレゼントを贈るだろう。

お金がかからない最後のプレゼント。



「さようなら」の言葉を。

5番目の彼女


高校生のころ、好きなひとに告白した。

そのひとは上級生で、野球部に入ってるひとだった。

わたしはいつも、放課後の練習を見に行っていた。

応援している女の子はたくさんいたから、

私もその多くのギャラリーの一部であり、彼に気づいてもらえてるなんて

まったく思ってなかったのに。

「いつも見に来てくれてるよね、ありがとう」

そう言って、彼ははすぐに付き合おうと答えてくれた。

そして、その日は彼と一緒に帰った。

その途中、近くの女子校の制服を着た女の子が、彼を待ち伏せしていたらしく

私たちに気がつくと、すごく怖い顔で近づいてきた。

「また浮気? 今度はその子を泣かせるの?」

私は「浮気」と言う言葉にドキドキした。

その後の修羅場を想像してしまい、すぐにでも逃げ出したくなってしまった。

だけど彼は私の手をぎゅっと握ってる。

「君とはもう終わったはずだ。いつまでもいい加減つきまとわれて迷惑だし、

嘘の噂を流して俺を陥れるような真似すんの、やめてくれないかな」

彼の言葉をわたしは信じた。

彼はモテるひとだから、彼と過去に付き合っていたひとがいても、おかしくない。

そして、別れたあとも気持ちを引きずる女の子の逆恨みを受けているのも、

アリエナイ話じゃないと思った。

その女の子は、私を睨みつけるようにした。

怖くてうつむいてしまった私の頭上に、女の子の罵声が浴びせられる。

「終わったなんて嘘よ。それが彼の手口だもの。あなたも騙されちゃいけない。

私だけじゃないわ、他にも女はいっぱいいるの、あんたなんか5番目の女なんだから、

フタマタどころじゃないんだから、5番目なんだから、彼女になれたからって

いい気にならないことね」

悪いことは言わないから、彼から早いうちに手を引きなさい

と、女の子は言った。

二股どころじゃなく、5番目だから五股?

果たしてそんな言葉があるのか疑問だけれど。。。

女の子が去ったあと、彼は私の手を放した。

私の前に立つ彼の顔を見上げる。

彼は困ったような顔をして私を見ていた。

「さっきのあれ、信じる?」

私をじっと見つめる目は、私を騙しているような浮気者の目には見えなかった。

それに、たとえあの女の子の言った言葉が真実だとしても、彼は私を選んでくれた、

私の気持ちに応えてくれたのだ。

たとえそれが、5番目の彼女の座だとしても、選ばれたことは嬉しいことだった。

彼の問いかけに、すぐに私は答えた。

「ううん、信じない」

私はアナタを信じます。

そういう意味をこめて彼の手を握った。



彼が他に何人の女と付き合っていようが、どうでも良かった。

本当のことなのか、単なる噂なのか、その後も私の耳には彼の浮気疑惑が入ってきたけれど、

真実を確かめたいとは思わなかった。

彼に追求して、困らせるようなこともなかった。

友人達は、私のことを「都合のいい女」だとバカにしたけれど、

私と会うときの彼は、私がこの世で一番幸せだと実感させてくれたから、

都合のいい女でも、良かったのだ。

少なくとも私は、彼の一番だった自信がある。

それくらい、彼に大事にされた自信があった。

クリスマスマジック【2008】


続編です。






街中を彩るイルミネーションは、

キラキラと輝いて人々を喜ばせていたけれど、

去年のわたしは、かえってその煌びやかさが、嘘っぽく見えていた。

ちょっとした軽はずみなキスだったけれど、

まさかこんな風に私が変わるとは思ってもみなかった。



空から舞い落ちる雪を見上げて、あなたは言った。

「クリスマスの夜は、雪と一緒に、天使が降りてくるんだって。

幸せの魔法の粉を、天使がみんなの上に降りかけてくれるんだよ」

彼と出会う前だったら、ファンタジー小説の読みすぎじゃない?

ってバカにして、冷めた心で聞いただろうけど、

今年もまた、魔法にかかってしまったようで、彼の言葉が優しく胸に沁み込んだ。



寒い夜も、彼とだったら暖かい。

頬も身体も指先も心も、そして唇も全部、温めてくれるから。



ケーキの上でゆらゆら揺れる、ローソクの炎。

わたしの心は、もうゆらゆら揺れない。

頭の中は、あなたでいっぱい。

灰色だった私の心を、明るい色に変えてくれた。

心を彩る、あなたは私のイルミネーション。





雨の日の後悔、そして……。


車が信号待ちで停車した瞬間、

ドアを開けて車を下りた。

車内から私を呼ぶ彼の声を無視して、

私は逆方向へと走って行った。

外はすごい雨だった。

車の中に傘を忘れたことに

今さらながら気がついたけれど、

もう戻れない。

春の雨はまだ少し冷たかったけれど、

冬の凍えるような寒さはなかった。

すれ違うひとが私を振り返るけれど、

うつむいたまま、私は歩き続けた。

私は確かに泣いていたけれど、

雨に紛れて誰も気がつかない。




きっかけは、ささいな口げんかだった。

いつもなら聞き流せるひとことひとことが、

今日はどうしても許せなかった。

不機嫌に口を尖らせたままの私に、

彼もだんだん不機嫌になっていった。

連休最後の日。

一緒に過ごす約束だったのに

こんな風に気まずく別れてしまった。

大人気ない、衝動的な行動。

反省したって、もう取り返しがつかないだろう。

久しぶりに会えたのに、久しぶりの夜だったのに、

もう誘ってもらえないかもしれないのに。

考えるほどに、自分のやった行動を後悔した。




やっとたどり着いた自分の家。

止まっている彼の車。

私を見つけた彼が車から降りて来る。

こんなみっともない、ずぶ濡れの自分が恥ずかしくて

逃げ出したいと思ったけれど、私は逃げられなかった。

同じようにずぶ濡れになったアナタに

抱きしめられてしまったから。

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