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【7】家庭の事情

結局2人を部屋に入れた。

お酒が入ったら、理性なんて当てにならないと思ったけれど、それでも中に入れたのは、

きっと樹のことを信用していたからかもしれない。

会うのは二回目だし、樹の何を知っているわけでも、大丈夫だって思う何の

根拠もないんだけれど、不思議と樹は大丈夫だってそんな気がした。

「おれさー、料理得意なんだ。キッチン貸してね」

樹は言うと、キッチンに立って、袋の中から、ベーコンとかコーンとか

買ってきたものを取り出している。

たぶん、作ろうと思ってるメニューは考えてあるんだろう。

「フライパンどこ?」

「あ、私も何か手伝うね」

フライパンを取り出しながら申し出てみた。

「サンキュー。それにしてもキレイなキッチンだね。片付け上手は料理上手って

言うじゃん。あ、言わないか?」

あはは、と樹が陽気に笑う。

「あはは」

理花もつられて笑ったが、内心複雑な心境だ。

なぜなら理花は、料理が苦手だからだ。

まともに家で料理をしないから、キッチンがきれいなままなだけ。

片付ける前に、フライパンなんか滅多に使わない。

「バターある? マーガリンでもOKだけど」

「確かあったと思う」

理花は冷蔵庫を開けた。

たまにバタートーストを食べるから、あるはず。

賞味期限が切れていなければ、だけど。

「おー、冷蔵庫の中もキレイだね」

開けた冷蔵庫の中を樹がのぞいた。

「まあね」

料理をしないから、単に何も入ってないだけなんだけれど、樹がじっくり

中を観察しないうちにさっさとバターを取り出してドアを閉めた。


樹が熱したフライパンにバターを落とす。

「何を作るの?」

「コーンベーコン」

見ていると、コーンとカットしたベーコンをフライパンにいれて塩コショウで炒めてるだけ。

ささっと炒めて、お皿に盛り付ける。

単なるコーンとベーコンの炒め物みたいだけれど、お皿からはふんわり香ばしい、いい匂いが漂う。

きっと、わたしが作っても同じように出来ないんだろうなって感じた。

結局、理花はほとんど見ているだけで、樹が手際よく次々に料理を作っていった。

料理と言っても、そう凝ったものではない。

魚肉ソーセージを、キャベツと炒めただけのものとか、レタスにツナとトマトを

盛り付けてドレッシングをかけただけのものとか、理花にも作れそうなメニューだった。

いかにもお酒が進みそうなメニューだ。

早く食べたい。早く飲みたい。

「ほんと、料理上手なのね」

テーブルに並べられていく料理を見ながら、理花は感心したように言った。

「うちさ、両親が離婚してて父子家庭なんだ」

「え……」

思わぬ樹の身の上話。

「親父も弟たちも料理なんかしないしさ、毎日外食や店屋物ばっかでさ。栄養偏るし、

カラダに悪いじゃん? 男ばっかり良く食うし、食費もバカになんねーし。で、

おれ、料理本なんか買い込んで作り始めてみたんだけどさ、これが案外楽しくて。

みんな喜んで食ってくれるしさ、いつの間にか料理は趣味のひとつになってたってわけ」

「ふうん、すごいね」

「まあね。まあ、苦労もいっぱいしたけどさ」

明るく笑っている樹を見ていると、今までしてきた苦労なんか微塵も見えない。

実は理花の家庭も複雑だ。

「うちも、両親、離婚したんだ」

何となく、理花もつい告白してしまった。

「マジで?」

「うん。母と住んでたんだけどね、高校のときに母が再婚したの。養父は

優しかったんだけどね、義弟ってヤツと合わなくて。で、家を出てひとり暮らし」

「へー、そっか。実は透弥んちもいろいろあってさ」

樹がチラッと透弥を振り返る。

今になって、やっと透弥の存在を思い出した。







続く。

まだ何も起こりません。書いてたら、おなかすいたぁ。。(´д`)

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