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夏休み直前編

以前の登校拒否が夢だったかのように、ひとり息子の悠は、一学期一度も休まずに登校出来た。
友達ともうまく付き合っているようで、笑顔もたくさん見られるようになったと、担任教師が連絡帳を通して教えてくれた。
5年生になった悠は、クラブの部長を引き受け、さらに委員会の副委員長までも立候補したらしい。
イガイに目立ちたがりだったのか、それとも責任感があるのか知らないが、人見知りで目立たないように、みんなと同じにしか行動出来なかった僕とは違う。
そう、僕とはまるで正反対の積極的な性格をしている。
「あのさ、もうすぐ夏休みだよね」
夕食時間、悠が僕に言う。
「一学期、あと、二日で皆勤賞だね、それで……」
悠が言いにくそうに目を泳がせる。
4年の三学期も休まずに登校できた悠に、僕はごほうびにって言って、
ゲームの攻略本をプレゼントしてやった。
あのときは、すごく喜んでいた。
もしかして、何かごほうびでもねだるつもりだろうかと考えた。
でも、それはどうだろう。
欲しいものを買ってもらいたいために頑張っているとしたら?
しかもそれをおねだりするって言うのは、ちょっと……。
「丸いケーキを食べようよ」
悠が言った。
「皆勤のお祝い?」
問い返すと悠はうなずいて、ちょっとだけ照れたように続けた。
「お父さんも仕事、頑張ったよね。一日も休まず皆勤だろ? 僕も皆勤だし、ふたりで頑張ったお祝いをしたいんだ」






悠に……泣かされてしまった。
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