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難しいイジメ問題-6

『証拠はあるんでしょうねっ』
いきなり電話口で怒鳴りつけられたときは、びっくりして泣きそうになった。
3人組女子のうちのひとり、千春ちゃんの母親からだった。
キレイなお母さんで、いつも愛想よく僕に笑いかけてくれていた。
あの顔からこんな怒鳴り声が?
『うちの子は、イジメなんかするようなタイプじゃありません』
彼女は、延々と僕を責めた。
『だいたいちーちゃんは、悠くんとは友達だって言ってるんですからっ。誰か
別の子と勘違いしてるんでしょう』
そんなはずはないと思った。
悠は言ったんだ。千春が首謀者だって。
中心になって、悠を攻撃するって。
──女の子だから、手を出したら駄目だって思って。我慢してるんだけど、口じゃ敵わないんだ。
悠はそう言った。
確かに手を出してしまったら、女の子に怪我をさせるかもしれない。
そうなったら、悪いのはきっと悠になるだろう。悠の判断は間違っていないと思った。

 

だが、事態はますます悪化した。
 それぞれの親が校長室に呼ばれ、集まった。
千春の母親以外の二人は、子供が素直にやったと認めたため、頭をさげて謝ってくれた。
悠の愛想のなさがイジメの原因だったらしい。
偉そうな態度がムカついたらしい。
悠にも反省すべき点はあったのだろうが、いじめるほうが悪いんだと言って、麻子と涼子の母親は言ってくれたんだ。
「麻子はいつかやると思ってたんですよー」
ごめんなさいね、と麻子の母親は言った。
涼子の母親なんか、僕に手紙まで書いてきてくれた。
「早いうちにわかって良かったです。このまま気付かずに中学生になっていたら、もっと大変なことになっていたかもしれない」
まだ4年生、言い聞かせれば素直に聞く年齢なんだそうだ。
素直に嬉しかった。
「被害妄想ですっ」
千春の母親だけ、絶対に認めてはくれなかった。
二人の子供が、3人でやったと言っているにもかかわらず、最後まで頑なに認めようとはしなかった。
こんなことになって、話もしたくない、顔も見たくないと、直接言われてしまった。

別にいいけど。
女の人は怖いなって思った。
 


結局それ以来、涼子と麻子とは仲良くなったようだったけれど、千春とは未だに仲良くなれていなかった。
3人組みも解消になったようで、千春だけが一人でいると、悠から聞かされる。
「悠が声かけてやれば?」
「無理。アイツだけは嫌だ」
「……そっか」
千春の将来を不安に思ってしまうのは、傲慢な考えだろうか。
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