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ハツコイゴコロ-1

中学のときに好きなひとがいて、そのひとと同じ高校に行きたくて受けた公立高校に私もそのひとも見事に落ちてしまった。
それで、第二希望だった私立高校にそれぞれ進んだ。

付き合っていたわけではなかった。ただの私の片想いだったから、卒業後はまったく接点はなくなってしまった。

家から少し遠い私立高校。同じ中学からは、誰も進学しなかった。
誰も知る人がいないはずの高校生活の始まりだと思ってた。


悠(はるか)に声をかけられるまでは。





誰も知るひとがいなかった不安いっぱいの高校生活の始まりに、悠との再会は、とても心強かった。
悠とは、小学校が同じだった。
男の子の中でも目立つほうで、いつもみんなの中心にいた。
私はひそかに悠のことが「いいな」と思っていたから、この再会はとても嬉しかった。
悠が転校してしまってそれきりで、中学校も別々だったのに、ずっと仲良くしていたように、気があった。
悠と同じ中学から来たという和希(かずき)くんは、悠の親友で、一緒に行動することが多くなって、悠に接するように、私にも優しくしてくれるようになった。


3人でいることは、楽しくてしょうがなくて、毎日学校へ行くのが待ち遠しかった。
ずっと3人でいられると思ってたのに、それは夏休みに崩れてしまった。
3人で行こうねって行ってた花火大会だったのに、和希が急に高熱を出したために行かれなくなってしまったのだ。
私はずっと、悠のことが密かに好きだったから、本当は和希の熱を心配しなきゃならないのに内心、喜んでいたんだ。


ふたりきりの花火大会。


いつもは3人でいたから、こんな風にふたりきりだと、どう接すればいいのかかなり戸惑っていた。
いつもどおりに振舞えばいいんだと思うのに、態度がぎこちなくなるし、上手く言葉も出てこない。
それに、せっかく着せてもらった浴衣のことも、悠は何も言ってくれないし、履きなれない草履は、歩きにくくてだんだん足も痛くなった。
人ごみに、悠を見失いそうになったけど、走って追いかけるには、足が痛くて……。
何度か立ち止まって、私を待っててくれる悠は、いつものような笑顔じゃなくて……。
ふたりで来たって、楽しくなかったのかなとか、浴衣なんか着てきて、こんな風に上手く歩けなくて、迷惑なんだって思っているように見えた。

「悠、ごめんね」
追いついて、謝った。
「ごめんって、何が?」
「……私といても、つまんないんでしょ」
そっと悠の顔を窺うと、やっぱり怒っているように見える。
居た堪れなくって、すぐに目を逸らした。
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