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恋にとどくまで~梨々の恋 5step

5step


「で、梨々ちゃんは何して遊んでくれるの?」

 梨々は信じられなかった。

 涼につれられて、涼の家に来ていた。 

 これって、夢?

 サンタさんが、梨々にクリスマスプレゼントをくれた?

「え、えーと。トランプとか?」

 ソファに横並びで座っている。

 しかも涼は、ソファの背もたれ部分に、まるで梨々の肩を抱くように手を置いているから、

ドキドキが止まらない。

「トランプなんか、つまんねーよ。俺、振られたんだ。俺の目の前でさ、

あいつ他の男選びやがって。指輪なんか貰って喜んでんの。バカにすんなって」

 そこまで言うと、涼はハッとしたように言葉を止めた。

「子供に言ってもしょーがねーな」

 こんな取り乱したような、投げやりな涼は初めて見た。

 いつもクールで余裕って感じで笑っているのに、別人みたい。

 何かいい慰めの言葉はないかな……。

「梨々ちゃん、今日は何してた?」

 梨々が言葉をかけようと思っていたのに、逆に聞かれてドキンとした。

「大和とゲームしてた」

「大和って誰?」

「クラスメイト。友達だよ」

「ふーん、ごめんね。うちゲームなくて」

「別に謝らなくてもいいよ。ゲームならうちですればいいもん」

 せっかく涼と二人でいられるのに、暇つぶしのゲームなんかしたら時間がもったいないよ。

「そう? 梨々ちゃんはクラスの男の子とゲームして遊ぶのが楽しいのかと

思ったんだ。まあ、子供同士だもんな、そういうレベル。ハハハッ」

 なんか笑われてムカッときた。

 そりゃあ、大人の涼から見れば高校生の梨々は子供かもしれない。

 だけど軽く笑い飛ばすことないじゃん。

「梨々のこと、バカにしてない?」

「してないよ。可愛いな、初々しいなって感心してたんだ」

「そういう言い方がバカにしてるように聞こえるのっ」

 からかいを含んだ涼の言い方に、ついムキになってしまった。

「怒るなら帰れよ。送って行こうか?」

 ため息をつきながら立ち上がる涼に、梨々は慌てて謝った。

「やだ。ごめんなさい、まだ帰りたくないっ」

 せっかく涼と一緒にいられるのに、こんな喧嘩別れをするように終わらせたくなかった。

「帰りたくないの? じゃあ、泊まる?」

 心臓がきゅんっと鳴った。

 それは次第に大きくドキドキ鳴っていって、想像しただけで全身がカーッと熱くなる。

「……うん、泊まる」

 勇気を出してうなずいたら、涼が苦笑いを向ける。

「冗談だろ」

「誘ったのは涼だよ。だから梨々、泊まる気になったのに」

 涼の目をじっと見つめて、真剣に伝えた。 

 涼も、梨々の目をじっと見てくれている。

「梨々……涼といたいもん」

「は……ハハッ」

 梨々は真面目に言ってるのに、いきなり大声で涼は笑い出した。

「梨々ちゃん、意味わかってんの? 雅人さんのところに泊まるのとは、訳が違う」

「それくらい分かるもん。わかるけど、涼にとって梨々は子供なんでしょ」

 梨々だって、涼の部屋に泊まる意味くらいわかる。

 ドキドキしてるんだから。

 ちゃんと涼が冗談で言ってるのも、冗談で流そうとしているのもわかってる。

 だけどいいと思ったんだ。涼とならそうなってもいいって思った。

「今日は子供でも、明日には大人になってるかもしんねーよなー」

 涼は、梨々の反応を窺うように、笑った。

「明日には……大人?」

「梨々ちゃん、大人になりたい?」

 梨々の顔を覗き込むようにして、涼が笑う。

 そんな風に至近距離で見られたら、ドキドキする。心臓が飛び出しそうだよ。

「なりたいっ」

 言ってから、梨々はぎゅっと目をつぶった。


6stepに続きます♪
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