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恋にとどくまで~梨々の恋 7step

7step


 次の日にまた大和が梨々の家に遊びに来た。

「梨々、ヒマなら遊ばね?」

「メチャクチャ暇だよ。いいよ、あがって」

 梨々はまた大和とゲームをして遊んだ。

 昨日のように、ふたりで盛り上がっていたら、ふと涼に言われたことを思い出した。

 ふんだ。どうせ子供同士のレベルですよーだ。

「ねえ、大和」

 梨々が呼ぶと、大和はゲーム画面を見たままの格好で、何? と返事をする。

「梨々と大和ってさ、男と女なんだよね」

「……え?」

 大和が梨々のほうを見た。

「梨々って、子供っぽいかな」

「いや、どうかな。そんなことはないと思うけど。俺たち同じ年だし」

「部屋に二人きりなのに、変な風にならないのは、梨々に魅力がないから?」

「お、俺たち、友……達だしっ」

 何だか大和が……変。

 急にどもって、顔が赤くなった。

「ってゆーか、梨々、変じゃん」

「変なのは大和だよ」

「変……に、なってみようか」

「それって、どういうこと?」

「梨々……」

 大和が手に持っていたコントローラーを置いて、梨々ににじり寄ってきた。

「キスしようか」

「……大和」

 すぐそこまで、大和が迫ってきた。

 後ろはベッドで、梨々に逃げ場はない。

 キスには興味あるし、大和のことも嫌いじゃない。

 ──ま、いいか。

 梨々は目を閉じた。

 でもすぐ近くに大和の息を感じた瞬間、急に梨々は怖くなった。

「やっぱり嫌っ」

「わあっ」

 激しく突き飛ばしてしまい、気付いたら大和はゲーム機に頭をぶつけて倒れていた。

「ああっ、ゲーム機が!」

 壊れてないよね。

「ゲーム機のほうが心配かよ」

「あ、ごめん大和」

 大丈夫? と言って大和を助ける。

「ひっでー、その気になった途端、これだもん」

 頭をさすりながら、大和がふてくされた。

「だって、梨々……好きなひといるもん」

「じゃあ、誘うなよ」

「誘うってなによ。大和が勝手に変な風に誤解するからじゃん」

「目、閉じたくせに」

 それはそうなんだけど。

 大和から目をそらす。

「梨々、その気になってただろ」

 まるで梨々だけが誘って、その気になってたみたいに言って!

「大和こそ、好きな子がいるくせに」

「それはそうだけど」

 せっかくの楽しい時間が、急にきまずくなった。

 空気も暗く沈んでしまった。

「帰る。なんか、悪かったな」

 大和は、機嫌をそこねたまま帰って行った。



 でも、ひとつだけ、わかったことがあった。

 梨々もちゃんと男を誘惑できるんだってこと。

 大和にキスされそうになって、自信が持てた。



 それから年末まで、梨々は誰とも遊ばずっと一人で過ごした。

 31日の夜から、父は祖母の家に行くといったけど、梨々は苺花と初日の出を見に行こうと約束してい

るから、と言う理由をつけて、残ることにした。

 祖父母と父としかいない家になんか、行ったってつまらないのはわかっている。雅人が帰るって言うな

ら、梨々もついて行くつもりでいた。だけど、今年は仕事で帰れないって電話で教えてくれた。

「あっ」

 梨々は急にひらめいた。

 雅人が仕事ってことは、涼も仕事かもしれない。

 梨々は早速、涼にメールで聞いてみた。

『31日まで仕事。1,2日は休み』

 素っ気ない文章だったけど、涼の予定を教えてもらえた梨々は、携帯を胸に抱きしめベッドに転がる。

 大晦日の夜を、涼と過ごせるかもしれない。そして、元旦の朝を一緒に迎えられたら、どんなに幸せだ

ろうと想像するだけでどうにかなりそうだった。





★梨々は涼と年末年始を過ごせるでしょうか? 夏なのに年末の話ですみません……。
 しかも会話ばかりで軽い小説だな~と改めて思う。

8stepへ続きます。
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