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恋にとどくまで~梨々の恋 11step

★11stepです。


『梨々? 今ヒマ?』

 大和の言葉を邪魔したのは、苺花だった。

『駅前にいるの。出てきなさいよ。シーモールで物産展があってるの。

すっごいカッコイイお兄さん見つけたのー。見に行こうよ』

「あ、でも今……」

 梨々は大和を振り返る。大和は不機嫌そうに立ち上がった。

「俺、帰るし」

「あ、ごめん大和」

『あ、ごめん大和。って、梨々と大和のいいところ、もしかして私、邪魔しちゃった?』

 電話の向こうの苺花は、ごめんねー、なんて謝っているけれど、声が笑っている。

本気で悪いとは思っていないらしい。

『梨々ったら、大和程度で手を打ってないでさ、行こうよ。ホントにいい男なんだってば』

「じゃあな。バイバイ」

 ああ、大和が出て行ってしまった。

 梨々は苺花に「すぐ行く」と、とりあえず返事をしてから、大和を追いかけた。

「大和、待って。帰るなら駅まで一緒に行こうよ」

 大和が梨々を振り返る。

「誰かと約束したの? 例の好きな奴?」

「ううん、苺花。だから大和も一緒に行かない?」

「行かない」

 素っ気ない大和の答え。

「誘われたの、梨々だろ? で、梨々は俺といるより苺花の誘いに乗ったんだ。

俺なんかいなくてもいいじゃんか」

「何か、怒ってるの?」

 それとも拗ねてる?

 大和は不機嫌なまま、梨々の質問に答えないままどんどん先に歩いていく。

「……もう、知らない」

 梨々はその場に立ち止まった。

 だんだん大和との距離が遠くなるけれど、大和も梨々を待ってはくれなかった。

 そして大和の姿が点になった頃、梨々はゆっくり歩き始めた。




「あ、梨々!」

 駅に着くと、苺花が大きく手を振りながら梨々に向かって走ってきた。

 冬だって言うのに、大きく胸元の開いた洋服を着ているから、大きな胸が揺れ揺れなのが目立つ。

「今日までなのね、物産展。地方の特産品を集めて販売してるらしいの」

 シーモールと言うのは、この辺では大きいショッピングセンターだ。

 8階の特設会場では、様々なイベントが定期的に行われている。

「この前、創樹と行ったんだよね」

 シーモールに向かって歩きながら、苺花が説明してくれる。

「物産展なんか、つまんないって思ってたんだけど、商品以上に見がいのある人を見つけたわけよー」

 苺花は、創樹とのデート中に、他の男に目が行くような女の子なんだろうか。

 気が多い子だし、あり得るかもしれない。

 エレベーターで8階まで着くと、すぐに苺花が指を指す。

「ほら見て、梨々! あそこの沖縄のお酒を販売してる人!」

 苺花の指を辿って行き着いた先にいたのは……。

「あ……涼」

「え、涼って……?」

 苺花が梨々に聞いた。

「ほら、梨々が言ってた、梨々の好きなひと」

「ええ~っ、あれが涼?」

 どうやらこの物産展は、雅人の会社参加のイベントだったらしい。

手広くやってるな、と改めて感心する。

「や~ん、梨々。もっと頑張りなよ。大和なんかと遊んでないでさ、

もっと強引に迫りなさいよ。大人じゃん、社会人だよ。しかもカッコイイし。

梨々がいらないなら、私が行っちゃうよ」

「苺花、創樹さんがいるじゃん」

「創樹? ああ、そんな男もいたわね」

 急にわざとらしく、苺花が遠い目をして見せた。

「まさか、もうあきたって言わないよね?」

「彼女とついに別れたのね。苺花だけだよって、言ってくれたのはいいんだけどさ、

何かうざったくなっちゃった」

「ウザイの?」

 普通だったら、自分オンリーになってくれたら嬉しいんじゃないかな。

「エッチが下手なの」

「……下手なの?」

「最悪なの。自分勝手なのよ。ダメね、やっぱり大人の男じゃなきゃ快感得られないんだもん」

 梨々は未経験なので、口を挟めなかった。

 下手とか最悪とかわからない。ましてや快感なんて言われたってさっぱりだった。

「梨々、会って行くでしょ?」

「え……。いいよ、別に」

 この前、好きにならないって言われたばかりだ。

 このまま見なかったことにして、帰ろうと思った。

「帰ろう、苺花……あれ?」

 ふと見ると、今までここにいた苺花の姿が消えている。

 キョロキョロと視線を巡らせていると、苺花は涼の傍にいた。

 しかも梨々を見て、涼に何か言っている。

 ちょっと、待ってよー、と思う間もなく苺花が涼を引っ張って梨々の元へ歩いてきた。





 ★苺花のお節介で、涼と対面することになりそうな梨々ですが。

  どうなる??

 12stepへ続きます。
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