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恋にとどくまで~梨々の恋 13step

13step


「……それって、大和のこと言ってるんでしょう?」

 涼は、梨々が大和と付き合っていると誤解しているから……。

「別れてないんだろ? 二番目は嫌だからな」

「付き合ってないよ、大和とは。大和は苺花が好きなんだもん。梨々は大和の恋愛相談に

乗ってるだけで、ただの友情だもん」

 良かった。涼に遮られることなく、今日はちゃんと言えた。

「相談に乗れるくらい、梨々ちゃんって恋愛経験があるんだ」

 すごいねって言われたけれど、素直に喜べるはずがない。

 間違いなく、からかわれているんだって、わかるからだ。

「バカにしないでよっ」

 強気で言ったつもりだったけれど、声が震える。

目の前がぼーっとなったかと思ったら、瞳から涙がこぼれる。

「ああ、そんなに嫌だった?」

 ちょっとだけ、涼の表情が困ったように見えた。

 こうなったら泣き落とす? 泣いて駄々こねて縋って脅迫?

「りっ、梨々はねっ」

 ぐすんと鼻をすする。

 ヤバイ、鼻水まで出そうだ。

 涙は可愛くても、鼻水はきっと引かれちゃう。

 バッグからハンカチを取り出し、口と一緒に鼻も覆った。

 吸収性が悪いハンカチ。本当はティッシュがいいんだろうけれど、カッコ悪くて使えない。

「梨々は、涼が好き」

 ちょっと、唐突だったけれど、言いたいのはそれだけなんだ。

「バカにされて悔しいし、涼が梨々を想ってないのも知ってる。子供だって思ってんのも

知ってるし、梨々が雅人さんの姪だからしょうがなく相手にしてくれてるのも、ちゃんと

全部わかってるもんっ」

 涼は、梨々の話に口を挟まない。

 梨々をじっと真正面から見ている。

 梨々のほうが負けそうになった。じっと目を見られて、緊張する。

 でも、伝えるんだ。

 ちゃんと気持ちを全部伝える。

「梨々はずっと本気で涼が好きなんだから」

 子供の本気を舐めるなよ!

「お、お母さんに捨てられて、お父さんからも放任されて。この前雅人さんにも見放された

んだから。それに大和は苺花が好きなの。梨々には涼しかいないんだからっ」

ああ、しまった。 ……これじゃあ、同情を買うだけ?

「ちょっと、出ようか」

 涼が立ち上がる。

「逃げるの?」

「違うよ。ここじゃ梨々ちゃんの声が大きすぎて他の人の迷惑になるだろ」

「あ……」

 ふと見回すと、梨々たち注目の的になっている。

 狭いカフェ内で、梨々の告白、ここにいる人たちにみんな聞かれちゃった?

 途端に恥ずかしくなって、誰とも目を合わせないようにして涼の後について店を出た。





 涼の車に乗って、また家まで送られた。

 車の中で話の続きをするものだと思っていたが、そんな雰囲気じゃなかった。

 涼も梨々も、お互い無言のままだった。

「じゃあね、梨々ちゃん」

 家の前まで着いてから、何もなかったように涼は言った。

「やだっ、降りないっ」

 シートベルトを両手でぎゅっと握り締めてから、首を振った。

「ふうん、ずっとそこに乗ってる気?」

「話が終わってないもん」

「……なんの話だっけ?」

 ムッカー! いい加減にしてよ、涼っ!

 梨々を馬鹿にして、そらすのもいい加減にしないと、梨々はマジギレするんだから。

「梨々は涼に告白したの。真剣に告白したのに、あんな言い方はなかったって気になった

とか、連絡なくてなんとかだったとか、言ったくせにまた今日も同じこと繰り返す気? 大

人のくせに学習しなさいよね。子供だと思ってバカにして。何回も言われなくてもわかって

る。涼は梨々が嫌いなんでしょー!」


 違う……。

 間違えた。


 嫌いなんでしょう、じゃないじゃん、梨々。

 そうだよ、って言われたらどうするのよ。

「梨々ちゃん」

 ああ、言われる。振られるっ。

 怖くてぎゅっと目を閉じた瞬間、梨々の頭に何かが触れた。

 そっと目を開けてみると、それは涼の手のひらで。

 チラッと涼の顔を窺うと、梨々を優しい目で見てくれていた。

「俺、正直……戸惑ってるし、確かに逃げてるよね」

 数回、目をパチパチと瞬かせて涼を見た。

「俺が好きになる女ってさ、何故だかみんな、本命がいたんだよね。本命に振り向いて

もらえないからって、俺に逃げてくるの。何でかしんねーけど、ずっとそう。いつだって

二番目。一番になったことがなかった」

 いつだって彼女を切らしたことがないと思っていた。


 二番目?

 そんなこと、初めて知った。

 涼を二番目にキープするなんて、その女たち目がおかしいんじゃないの? そうよ、きっと

感覚が変なのね。

「梨々が、好きだって言ってくれたのは嬉しかった。でも、大和がいるじゃんって

思った。またかよって、二番目かよって思ったら……素直には受け入れられないって思ってた」

 今こそ梨々の本気を伝えるチャンスだ。

「梨々は涼が本命だよっ、涼が一番! 涼が好きだもん、大好き。これまでもこれからも

ずっとずっと永遠に涼しか好きじゃない。結婚しよう、涼っ」

 勢いがついて、梨々ったらプロポーズしてしまった。



★14stepheへ続く

  涼は梨々のプロポーズにどう答えるんでしょうか?

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