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恋に届くまで~梨々の恋 14step

梨々の恋 14step




 涼は、呆れて言葉が出てこないって顔だ。

「涼……梨々は、涼が好き」

「……うん」

「好きなの、好き。本気なんだよ、好きで好きで……。ちゃんと一番に特別に涼が好きだから」

「ったく、好き好き言いすぎ」

 涼は梨々からふいっと目を逸らした。

 ガーン。

 やっぱり言い過ぎたんだ。

 呆れちゃったよ、涼……。

「ううっ……」

 しかも梨々、泣くなんて、超ウザイよね。

「ごめん、梨々ちゃん」

 降りて、と涼に言われる。

「……わかった」

 梨々の気持ちは、ウザイとこだけしか伝わらなかったみたい。

 梨々は車を降りた。

 好きだと言われて嬉しいのは、相手も自分に少なからず好意を持っている場合にのみなんだ。

 迷惑な、一方的な気持ちの押し付けだ。

「ちょっと考えさせて」

 運転席に座ったまま、涼が言った。

「来週から、北海道なんだ」

「ほっかいどー?」

 それって、何?

「氷の祭典ってイベントがあってさ、仕事で一ヶ月行ってくる。帰ってきたら返事をするから」

 それだけ言うと、涼はじゃあねって手を振って行ってしまった。

 ……こおり?

 ……一ヶ月?

「北海道、行くんだ?」

 ふらふらと家に入り、ベッドに倒れこんだ梨々は、まるで電池が切れた

ロボットみたいに動けなかった。




 一生分の告白をしてしまったようだ。





 パワー切れ。

 



 何がなんだか、わからなくなった。




  ☆  ☆  ☆




「創樹と別れちゃった」

 ふふっと笑って苺花が言った。

 始業式がすんで、学校の帰りにドーナツショップへ寄っている。

「次は誰と付き合おうかな。ねえ、梨々。梨々のオジサンって独身?」

「雅人さんのこと?」

「そうそう。やっぱ大人がいいよね。いくつだっけ?」

「28歳」

「そっか。微妙に若いけど、11歳差かあ。ま、いっか。紹介してよ」

「雅人さん、意外と固いよ」

 梨々は失恋気分を引きずっていると言うのに、苺花はいいなあ。前向きだな。

「そういう人が本気になったら、一直線なのよ。きっと激しく求められるに違いないわ~」

 苺花ったら、すっかり雅人に気に入られるって前提だ。

 大和の気も知らないで。

「あ、そう言えば涼とどうなった?」

「一ヶ月後に返事するって」

「一ヶ月? 何よその期間は。一ヶ月も待たせといていいと思ってんのかしら。

煮え切らない男ね、やめたら?」

「……だよね」

「そうよ。一ヶ月の間にうやむやにする気よ。何よ、ちょっとカッコイイからって

何様のつもりよ。こうなったら、梨々も新しい男、探しなさいよ」

 大和なんかどう? と苺花に言われる。

「大和は友達だもん」

 まさか、大和の気持ちを苺花に伝えるわけにはいかないだろう。

「だよね~、大和だもんね」

「どういう意味よ、それ」

「どうって、大和……バカなんだもん。鈍感だし、女心なんかちっともわかってなさそう」

 苺花は口を尖らせた。

 大和が聞いたら落ち込みそうなセリフだ。

 大和と自分の姿がだぶって見える。

 苺花に想いが伝えられない大和と、涼に気持ちを曖昧にされている梨々。

 大和も可哀想だし、梨々も可哀想でしょ?

「梨々、カラオケ行こうか」

「カラオケ?」

「暗くなってないでパーッと騒ごうよ」

 本当は騒ぐ気分じゃないんだけれど、苺花が大和まで電話で呼び出すもんだから、断れなかった。



★15stepに続く。

 梨々は涼をあきらめるのでしょうか。


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