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恋にとどくまで~梨々の恋 17step

17step




 たぶん、梨々が何かしでかしたのには、違いないのだろう。

 苺花が怒った理由がわからない。

 気まずいまま、約束の一ヶ月が終わった。

「梨々から連絡するわけには……いかないよね」

 今日も大和とゲームをしている。

「向こうが返事するって言ったんだろ。梨々からするのは変。ってゆーか、

それじゃあ向こうをいい気にさせるだけじゃんか」

「いい気にって……」

 大和は画面に目を向けたままだ。

「梨々にこんなに想われてんのにさ、待たせるなんて真似、平気でやってんの。

きっとすっげー自惚れてるんだぜ。いい気になってる。俺はこんなにモテるんだぜーって」

 とげとげしい大和の言葉だけど、否定する気は起こらない。

 だって、大和の言葉にも一理あるなって思ったんだ。

 でも、梨々は涼を信じたい。

「そんなに嫌な人じゃないもん。涼は、ちゃんと考えるって言ってくれた。断るつもり

だったら、こんなに待たせないよ。考えてくれるんだから、可能性あるんだもん」

 大和は振り向き、梨々に冷ややかな視線を向ける。

「何よ」

「いや。梨々って前向きだなーって思って感心してるんだ」

「感心? バカにしてるんじゃないの?」

 言葉がとげとげだもん。

「してねーよ。俺も、梨々の欠片ほどもその前向きさがあれば告白してるのになーって」

「苺花のこと?」

「ちっげーよ、バーカ」

 大和は急にコントローラーを床に置くと、立ち上がった。

「帰る」

「何よ急にっ」

「急じゃねーよ。もういいんだ、じゃあなっ」

 わけがわからない。

 急に不機嫌になって、あんな風にいきなり帰るなんて。

 苺花もだけど、大和まであんなに怒るなんて、もしかして梨々は気付かないうちに、

何かとんでもない言葉を発していたのだろうか。

 苺花も大和も、何も言ってくれないから、わかんないよ。






「梨々」

 次の日学校で、苺花が梨々に声をかけてきてくれた。

「早く紹介してよ、雅人さん。そうしたら梨々と遊んであげる」

 交換条件?

 それって、紹介しないと梨々とは遊んでくれないってことだろうか。

「絶交したいのっ?」

 詰め寄るようにして、苺花に言われ、梨々はついついうなずいた。

「わかった。紹介するよ」

「やったー、だから梨々って好きなんだー」

 廊下の真ん中で、苺花はぎゅーっと梨々の身体を抱きしめる。

 だから、みんなクスクス笑って通り過ぎて行く。

 梨々の身体に、苺花の胸が、押し付けられているような状態だから、

いくら同性とはいっても、何だか変な感じがする。

 大きいな、ふわふわだな、苺花の胸。

 梨々にはないものだ。

 苺花に一度、聞いたことがある。

 どうしたら、そんなに大きくなったのかって。

 そうしたら、たくさんエッチすればいいの~、なんて軽く笑ってかわされた。

 梨々も、涼といっぱいしたら大きくなるかな。

 そうしたら、苺花みたいに魅力的な身体になれるんだろうか。

「何やってんだよっ、邪魔」

 いかにも迷惑だと言うような声が、梨々の後ろから浴びせられた。

「あーら、大和」

 先に苺花が大和に気付いた。

 梨々の身体を解放すると、大和の前に立って、じーっと顔を見上げている。

「何か文句あるのかよ」

 大和がたじろいだ。

「ごめんなさいねー、梨々のこと抱きしめちゃたー」

 ふふんと笑って、苺花はくるりと方向転換して行ってしまった。

「なんだよ、あれ」

 苺花の後姿を見送りながら、大和が吐き捨てるように言った。

「最近、不機嫌なの」

 言ってから大和を見上げる。

「大和も……不機嫌だよね」

「ああ。この前のことだろ。悪かったな」

 あっさり「ごめん」と謝られる。

「子供っぽいよな、ダメだな俺も。まだまだ感情のコントロールが出来てない」

 前髪をかきあげながら、大和が、はあっとため息を落とす。

「大和、仲直りのしるしにドラクエしに来る?」

 窺うように聞いてみると、大和は嬉しそうに笑ってくれた。

 やっぱり、大和はドラクエが好きなんだな。



★鈍感天然梨々。。。18stepに続きます。


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