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恋にとどくまで~梨々の恋 18step

18step



 
 今日は、苺花を雅人に会わせる約束だった。

 学校帰りに雅人の会社に、苺花と寄った。

 雅人とはまだ、気まずいままだ。だから連絡をしないまま、いきなり訪ねた。

 苺花を紹介して、さっさと退散するつもりだった。

 苺花なら取り残したって、きっと自分で何とかするに決まっている。

 梨々がついていなくたって平気に決まっているからだ。

「こんにちは」

 いつもより小さな声で、ちゃんとノックをしてから扉を開ける。

「おお、梨々っ」

 雅人は梨々に気がつくと、ぴゅんっと入り口まで飛んできた。

「ああ良かった。梨々に連絡しないとって思っていたのに、なかなかできなくてすまなかったね。でも

梨々から来てくれて嬉しいよ……あれ?」

 雅人は、梨々の後ろにいる苺花に気付いたようだ。

「あ、友達の苺花」

 紹介すると、雅人は「ああ」と、満面の笑みを浮かべて苺花に向き合った。

「梨々からいつも話は聞いてます。そうか、キミが苺花ちゃんかあ」

 雅人をじっと見ていると、苺花の顔と胸元に視線が往復しているのが、目に見えてわかった。

「あのさ、雅人さん」

 梨々は唐突に言った。

「梨々ね、今日は用事があって忙しいの。だからお願い、苺花と遊んであげて」

「え、梨々……」

 雅人が何か言う前に、梨々は二人の前から逃げるように立ち去った。






 苺花と雅人がどうなったのか、気にする間もなく、翌日苺花のほうから教えてくれた。

「エッチしちゃった」

 梨々、言葉に出来なかった。

 放課後の帰り道、歩きながら苺花は、道の真ん中でくるくる回るような勢いではしゃいでいる。

「付き合うことになったの。このままだと私、梨々のオバサンになっちゃう~。どうしよう」

 どうしようなんて思っていない風だ。面白くてたまらないって感じに見える。

 正直に言って、苺花には呆れた。

 もちろん、雅人にもだ。

 梨々が、涼と遊ぶだけであんなに怒ったくせに、自分だってしっかり高校生に手を出してるじゃん。

「事務所で話をしているうちに、何だかエッチな雰囲気になってきたのよ」

 聞かないのに、苺花は勝手に話してくれる。

「雅人さんって、ステキですねって言ったら、苺花ちゃんも可愛いね。だって言うからさ、じゃあ付き合

ってくれますかってストレートに言ったわけ。そうしたら、ちょっと考え込むような素振りを見せた。す

かさず私のほうから抱きついてさ~、軽くチュッてしただけで押し倒されたわ~」

 雅人がそんな獣だったなんて。

 身内のそう言う話って、他人の話を聞く以上にリアルで気持ち悪い。しかも相手が苺花。

 それに、会社でしょ? あの事務所の空間でそんなことをするなんて。

 する前って、シャワーをするものじゃないの?

 あの会社に、シャワーなんかついてなかったはず。

 いくら冬でも、汗はかいているんだし、梨々だったら絶対イヤだな。

「やった責任はちゃんと取るからって、真面目な顔で言うもんだから、ちょっと引いちゃった。結婚でも

してくれそうな勢いだったよ」

 アハハと面白そうに、苺花は笑う。

「まあ、しばらくは付き合ってみる。エッチはまあまあだったな」

「しばらくって、真剣に付き合おうって気はないの?」

 あんまりだと思ったんだ。

 最初からその程度の気持ちで付き合うなんて。

 会ってすぐエッチするのもどうかと思うし、それに……。

 ……それくらいの気持ちで付き合えるなら、大和と付き合ってあげればいいのに。

 でも、大和が苺花に遊ばれるのも可哀相だ。

きっといいように利用されて、パシリにされてしまうに違いない。

 だったら、大和は梨々が……。

「真剣になれるような男が、他の女しか見てないのよっ!」

 急に苺花が怒り出す。

「苺花?」

 びっくりして梨々は足を止めた。

「あ、ごめん梨々……。梨々に怒ったってしょうがなかった」

 ハッとしたように苺花はすぐに謝ってくれる。

「もしかして、苺花。本命がいるの?」

 その男は誰か別の女を好きなんだ、きっと。

「そうよ。だから、彼以上の男を……捜してるんじゃん。なのに、ちっとも満たされないよ」

 苺花がうつむき、今にも泣き出しそうに震えてる。

「告白……したの?」

 おそるおそる聞いてみると、苺花はうつむいたまま、小さく首を横に振った。

「出来ないよ。断られたら私、死んじゃう」

「死んじゃうって、そんな……」

 誰にでも簡単に好きだって言って、簡単にエッチして、付き合って別れてって繰り返していた。

 その苺花が、振られたら、死ぬなんて。

「死んじゃうの。恥ずかしくて恥ずかしくて。本当に死んじゃうくらい落ち込むに決まってるの。だか

ら、見てるだけでいい。好きな女と、幸せになってくれればいいと思ってたけど。その女って、すっごい

鈍感なの。大和の気持ちなんかちっともわかってない」

「そっか。鈍感なんだね」

 あれ? 何だか違和感。

 苺花を見ると、両手で口元を覆って、激しく首を横に振ってる。

「どうしたの、苺花」

「ななな、何でもないっ。よ、用事、思い出したから帰るねっ」

 そう言うと苺花は、逃げるように梨々を置いて帰って行った。

「……あれ??」

 また梨々は、苺花に変なこと、言ったのかな。

 もしかして、また怒らせた?




小説ブログランキング 今日は更新してないから、下がっちゃった。



★次回は涼が帰ってきます~。
 たぶん。……まだかな? 
 帰ってきたら最終話。来なかったらまだ続きます。(いい加減な情報ですね~)
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