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恋にとどくまで~大和と苺花(6)

大和



 高校時代、梨々と苺花とばかり遊んでいたから、男友達と二人で遊ぶことなんてなかった俺は、バイト

の後で椎名に飲みに行かないかと誘われた瞬間、嬉しくてすぐに乗った。

 近所の焼き鳥屋に行って、カウンター席に横並びで座った。

 メニューを広げ、どれを頼もうか迷っていると、苺花から電話が入った。

『大和、迎えにきてよ』

 苺花の声に元気がなかった。

「今、友達と飲んでるんだけど。どうかしたのか、元気ないじゃん?」

『飲んでるなら、私も一緒に飲む。そこ、どこ?』

「ええっ、来る気かよ」

 断りかけた俺の手から、椎名が携帯を奪うと、

「もしもし、初めましてー」

 自己紹介なんかして、苺花を誘ってしまった。

「へへっ、ラッキー。苺花ちゃんと会えるー」

 うきうきしながら、椎名が俺の手に携帯を戻す。

「気にいってんじゃん、苺花のこと」

 この前はそれほどでもなさそうにしていたくせに、椎名のやつ。

「大和の彼女じゃないんだろ?」

「ないよ」

「だったら問題ないよね。気に入ったって僕が言ったって」

「まあ、いいけど」

 曖昧にうなずいて、目の前のコップを持ち上げる。

「あれ、もしかして僕にとられるの気が進まない?」

 椎名が顔を覗きこむ。

「そういうんじゃなくてさ、アイツ飽きっぽいからさ、椎名が遊ばれて捨てられるのが可哀相だなーっ

て、単純にそう思っただけだよ」

 軽く付き合いにOKするんだ。でも、すぐに飽きて捨てられる。それに苺花はエッチの良し悪しで相手

を選ぶらしいし。

「ふーん、そういう子なんだ、苺花ちゃんって」

「そういう子なの。1回やったら終わりにされるかもよ」

「1回でもやれるならいいかも」

「はー、椎名がそれでいいなら頑張れば?」

 遊びのつもりなら、いいかもしれない。

 だけど、遊びで軽々しくそういう行為をするってこと自体、俺にはどうしてもダメなんだよな。

 古い考えなのかもしれないが、本当に好きなことしかやりたくない。

 本当に好きだった梨々と、したかったなー。

 おかげでこの年まで、未経験だよ。カッコ悪くて誰にも言えないけど。

「大和!」

 ぽんっと肩を叩かれ、苺花が俺の横に座った。

「ホントに来たよ」

「あー、迷惑そうな顔したー。あ、そっちが椎名くん?」

 俺を飛び越えて、苺花の視線が椎名に向いた。

「こんちは。川瀬椎名ですっ」

「高野苺花でーす。で、これが伊沢大和でーす」

「知ってまーす」

 ノリが合っている。

 それより椎名って、苗字じゃなかったんだ。知らなかったな。

「ねーねー、苺花ちゃん、こっちに座りなよー。話そうよ」

「やだー、誘われちゃった。どうしようかな。ね、大和」

「俺に聞くなよ。好きにすれば?」

「うん。じゃあ好きにする」

 言って席を立つかと思った苺花は、またしても俺を飛び越えて椎名と会話する。

「あのねー、椎名くん、私ね……」

「あ、ちょっと俺、トイレ」

 何となく邪魔なんじゃないかと言う気がして俺は席を立った。

 俺のいない隙に、きっと苺花は椎名の隣に移動する。

 もしかしたら意気投合して、戻ったときには二人で消えているかもしれない。

 苺花のことだ。伝票はそのままでいいのよ、大和が払うんだから、って言う具合に俺に支払いを押し付

けて行くんだ。

 そうだ、きっとそうに違いない。

 トイレの個室に入って、俺はしばらく時間を潰していた。



★短いけど、続く。

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