スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ソファーベッド

救急車のサイレンが聞こえる。

私が呼んだのだ。

私の両手には、たくさんの赤い血がついていた。

震えていた。

止まらない。

吐き気がする。

目の前が暗くなり、やがて意識が遠のいてゆく。

私はどうなってしまうんだろう。

私は……。







彼の部屋は2LDKで、玄関のすぐそばにある部屋が仕事部屋になっている。

そこに机と背中合わせになるように、壁にそって置いてあるソファーベッドがある。

仕事に疲れて休むときのための、仮眠用なのだ。

いつも私は、そのベッドを憎らしく思っていた。

彼に必要とされているベッド。

疲れたときに、彼が身体を密着させ、癒されるためのベッド。

例えば私が遊びに行ったとき、彼の仕事をそこで待っていたことがあった。

仕事をする背中を、寂しい気持ちで見つめていた私のほうを振り返った彼。

椅子から立ち上がり、私のほうに歩いてくる彼に、甘い期待をする。

けれどその口からは、期待を激しく裏切る言葉。

「そこ、どいて」

私はそこからどかされ、追い出され、床に座った。

彼は気持ち良さそうに、ソファーベッドに横たわる。

彼の閉じた目をじっと見つめるが、私の視線など、気にもならない様子で、そのまま深い

眠りに落ちてゆく彼。

そんなことを数ヶ月繰り返しているうちに、私は自分でも訳がわからなくなっていた。

狂っていたんだと思う。

私じゃ役に立たない。

彼を癒すこともできない。

彼を包み込み、安心して眠りに誘うことも出来なかった。

そんなに一緒にいたいなら、永遠に一緒にいればいいんだ。

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。