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恋にとどくまで~その後の大和(中編)

苺花と付き合い始めて一週間。

苺花が苺花じゃないと思えるくらい、苺花が素直でかわいくなった。

口を開けば出てくる言葉「好き」。

目が合えば、潤んだ瞳でじっと見つめてくる。

そばに寄れば、身体にぎゅっとしがみついてくるように抱きつかれる。

「ラブラブ全開、バカップル」

バイトが終わった帰り道、椎名が呆れたように、からかうように言ってくる。

「そこまでされてんのに、何もやれない大和はやっぱりヘタレじゃん」

「ヘタレって言うなよ。そうかもしれないけどな、初めてなんだからな」

「威張って言うことでもないと思うけど」

あはは、と椎名は笑って俺を振り向いた。

「なんだったら練習する?」

「練習って、アレの……練習?」

「アレ? ああ、エッチのことね」

「や、そこまでじゃなくても……」

「じゃあ、キスくらいやれるようにしようか」

「しようかって椎名。そんなんどうやって練習すんだよ」

「僕の唇、使ってみる? 何なら身体もお貸ししましょうか」

「いや、気持ちだけで」

椎名の申し出を丁寧に断った。

確かに練習をすればいいのかもしれない。

回数を重ねるごとに、自信もつくだろうし、上手になるんだろう。

だからと言って、椎名で練習するわけにはいかない。

椎名だけじゃない、ほかの誰でも練習なんかやれるものか。

古い考えなのかもしれないが、好きじゃなきゃ嫌なのだ。

好きじゃないと、付き合えないしキスなんか出来ない。ましてやエッチなんか無理に決まっている。

誰でもいいなら、とっくに適当な女の子と経験済みなんだろうけれど、生憎そうじゃなかった。

「上手か下手かなんてさ、関係ないよ。愛情でじゅうぶんカバーできるんじゃないかな」

椎名は、俺が「そこ」を非常に気にしていることを知っている。

「愛情で……カバーできる?」

窺うように椎名に聞いた。

「できるよ。だってさ、追求すんのは快楽だけじゃないだろ。愛情だろ?」

「ああ、まあ……」

快楽も追求したいけど。

「良く、身体の相性がいいとか悪いとか言うけどさ、あれって、愛情があるかないかの

違いだと思うんだ。だって、僕たちなんか男同士だろ? そういう風に身体が作られて

ないのにヤルわけじゃん? あんなの愛情がなきゃヤレないよ」

ほかのヤツは知らないけど、少なくとも僕はそうなんだ。と椎名が言った。

まるで普通のことのように椎名は話すが、男同士ってところはまだ、普通には受け入れられない。

でも、不可解ながら、否定する気はなかった。

恋愛は自由だし、好きになったのがたまたま男。

俺の場合も同じ。好きになったのがたまたま苺花。

エッチが好きで、エッチの上手な男が好きだった百戦錬磨な苺花だったってだけ。

「とにかくさー、気負いすぎないようにね。そのときになったら自然にやれるってば」

ひとごとのように椎名は笑った。

まあ、ひとごとなんだろうけど。







そういうわけで、後編に続くのでした。(次回たぶん最終回)
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