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【4】2次会への誘い

理花を見下ろす功至は、大きくてすごい迫力。

ちょっとびっくりしてしまって、答えに窮していると、

代わりに紗夜が答えてくれた。

「私の友達。高浜理花ちゃんだよ」

そして功至を理花に紹介した。

「彼は宮下功至くん。同じ大学の……」

「余計なことは言うな!」

紗夜の言葉を遮るようにして、功至が大声を出した。

「やだー、こわいー」

肩をすくめて紗夜は理花の陰に隠れる。

「あの、初めまして」

一応、功至に向かって挨拶をしたが、すぐに「ふん」とそらされた。

「あのね、理花」

紗夜が理花の耳元でささやく。

「功至くんって医学部なの。背も高いしカッコイイでしょ。けど、

女嫌いなんだって。もったいないよねー」

紗夜がお節介に、余計なことを教えてくれた。

女嫌いって、どの程度の女嫌いなんだろう。

しゃべるのも嫌なんだろうか。

「じゃあー5人で二次会行くか」

暁登が言った。

けれど功至は暁登の言葉を無視して、透弥に向かって言っている。

「透弥。俺の部屋で飲み直さねーか?」

「うん……」

「そっか。じゃあ行こうぜ」

功至はうなずいた透弥を連れて行こうとしている。

「おいおい、2人で飲むのかよ。俺も混ぜろ」

暁登が追いかけた。その後を紗夜が追う。

「待ってよ。私も行く」

「女は来るな!」

功至が紗夜を追い払う。

「何よー。じゃあ暁登も行っちゃダメ!」

「えー、しょうがねーなー」

何だかもめている。

場に入りきれずに眺めていると、ふいに理花の携帯が鳴った。

着信は、さっき番号を教えたばかりの樹からだった。

みんなに背を向けて電話に出る。

『いま、那絵ちゃんを送り届けて帰るとこ。俺、今からそっちに

合流したいんだけどさ、いまどこ?』

「駅前。今から二次会に行くみたいなんだけど……」

『わかった駅前だな。すぐ近くにいるから、待ってて』

二次会に行く予定なんだけど、もめていることを伝える前に電話は切れた。

「ま、いいか。来ればわかることなんだし」

理花は携帯を閉じて振り向いた。

すぐに功至と透弥の視線にぶつかる。

「あ、あれ? 紗夜と暁登くんは?」

ふたりの姿が見えない。辺りを見回してみても、影も形も見当たらない。

「おまえが電話なんかしてるスキに、2人で行っちゃったよ」

まるで理花のせいみたいに功至が言った。

「しょーがねーから、おまえも来る?」

女嫌いだって言ってたはずの功至が、何故だか理花を誘ってきた。






次回、何かが始まる。。。かな~?

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【3】背の高い男

「あ、ごめん」

顔を上げると、樹が立っていた。

「ああ、理花ちゃんだ」

「樹くんだっけ。トイレ?」

「うん。あ、でもその前に良かったらケータイ番号交換しねー?」

いきなり番号交換を要求された。

「ダメ?」

顔の前に両手を合わせて、お願い。のポーズで樹は粘る。

「別に……いいけど」

ケータイの番号くらい教えても構わない。

嫌だったら着信拒否すればいいんだし。

そう思って交換に応じた。

「サンキュ。今度誘うからデートしような」

樹は言うと、トイレへ入って行った。

真面目そうなひとだと思っていたけれど、真面目そうだって言うだけで

実は軽い男なのかもしれない。

第一印象なんて、当てにならないものだ。

良く知り合ったって、相手のことが全部わかるかと言えば、そんなことは無理なんだし……。



理花が席に戻り、樹も戻ってきたところで二次会へ行こうということになった。

提案したのは暁登。それに乗って紗夜も賛成している。

「あの……私、門限があるの」

言いにくそうに言ったのは那絵だ。

那絵の家は門限がある。しかも夜の9時。

高校のときは7時の門限だったから、多少は時間が伸びたものの、

大学生になった今も門限は健在だ。

これからと言うときに、帰らなきゃいけないなんて、可哀相だよねって

いつも紗夜が言っていた。

「じゃあ、樹くん、送って行きなさいよ」

店の外に出ると、紗夜が樹の背中を那絵に向かって押した。

「俺が?」

「そう、那絵は樹くんを気に入ったんだって」

「やだ、紗夜ったら」

顔を赤くしながらも那絵は嬉しそうだ。

樹は、少々困惑しているように見える。

「だけどさー、那絵を送って行ったところを見ると、樹くんも満更ではないみたいだよねー」

2人を見送ったあと、紗夜が楽しそうに言ったが、誰も同意しなかった。

那絵の門限に遅れたらどうするのよっ! 

と、紗夜が半ば強制的に樹を脅したようにも見えたのだから。

昔から紗夜はそんな風だ。

とても強引に物事を押し付ける。

自分がこうだと思ったら、それを押し通すような感じだ。

那絵なんか、いつも紗夜の言いなりに踊らされている気がする。

「じゃーどこ行こうかー」

二次会のいい場所ないかな? と暁登が理花に聞いてきた。

「そうね……」

そのとき透弥の携帯の着信音が鳴った。

どうやらメールが届いたらしく、携帯の画面をぼーっとした顔で見ている。

その横顔さえ、絵になるのが不思議だ。

「誰から?」

暁登が透弥の携帯をのぞきこむ。

透弥はそれを隠すように閉じると、ポツリとひとこと言った。

「……功至」

「功至?」

「うん。来るって」

「あーー? 来る? ほっとけ、そんなもん。あいつおれが誘っても

来なかったくせに。今頃何言ってんだ」

暁登があからさまに不機嫌な顔をした。

「ほっといたら功至、怒るよな……」

ひとりごとのように言いながら、透弥は駅の方向へ歩き出した。

ほっとけ、と言った暁登はほっとけなかったらしく、透弥を追いかけていった。

しょうがないのでみんなで後を着いていくと、駅前のタクシー乗り場付近に

立っていた男がこっちに向かって歩いてきた。

どうやらあれが功至ってひとらしい。背が高くてわりといい男。

「なんだ、4人だったのか?」

功至の問いかけに紗夜が明るく答える。

「樹くんは那絵を送って帰っちゃったのー」

功至はたいして興味を示さず、理花に目をとめると近づいてきた。

「おまえ、誰?」

上から見下ろすようにして聞かれる。






続くのだ。

【2】つまんない男

「楽しくないの?」

理花は透弥に聞いた。

「……ん」

透弥が答えた今日初めてのコトバがこれだ。

そしてそれきり会話が途絶えた。

余ってるわけがわかった。

つまんない男。

「理花ちゃん」

隣に暁登が移動してきた。透弥を押しのけるようにして間に割り込む。

「今日はさー、紗夜にどうしてもって言われてこういう場を計画したんだー。

那絵ちゃんのためにって言うからさー。オレ、樹のことあんま知らねーんだけど、

頼みこんで来てもらったんだ。けど、来て良かったな。理花ちゃんみたいな綺麗な子と知り合えた」

暁登はすでに酔っているらしく、理花を口説きにかかってきた。

「紗夜とはさー、サークルが一緒ってだけで、特別何にもないんだぜ」

聞いてもいないことを暁登は勝手に教えてくれるけれど、正直言って興味がなかった。

「それでさー、あの透弥っているじゃん?」

ちらっと暁登が透弥に目を向ける。

暁登に追い出された透弥は、今、紗夜のとなりでつまんなそうに飲んでいる。

「あいつは樹が連れてきたんだ。透弥のこともあんまり知らねんだけどさ、オレの

親友で功至(こうし)ってヤツがいてさ、功至と透弥は仲がいいんだ。功至をホントは

誘うつもりだったんだけど、嫌だって断られて」

どうでもいい話を延々と横でしやべられて辟易していた。

だんだんうっとおしくなってきたので、理花はトイレに行くと言って席を立った。



「はあ……良くしゃべる男」

暁登って男は、透弥とは対照的だ。

2人を足して2で割れば、普通の男になりそう。

顔も……だよね。

顔もたして2で割ったら、普通かな。

理花はトイレの鏡の前で、髪をとかした。

居酒屋は嫌いだ。

タバコの臭いが髪に染み付くし、酔いにまかせたような変な口説きにかかる男が多すぎる。

このまま帰ってしまおうか、と考えていると、紗夜が入ってきた。

「ねえ、暁登に口説かれてるんでしょ」

横に並んで、鏡越しに話しかけられる。

「さあね、そんなんじゃないと思うけど」

鏡の中の紗夜と、目を合わせないようにしてさらりと流す。

「暁登もやっぱり理花に行くのかー」

「やっぱりって何よ」

「私、暁登狙ってるから」

チラッと見ると、紗夜が理花を睨んでいる。

「何を言われても、応じないでよね」

いい? 分かった? と、念を押すように言われる。

「理花には透弥くんを連れて来てるでしょ。カッコイイでしょ。ほとんどしゃべらないし、

無愛想だけどさ、カッコイイからいいでしょ」

「……いいでしょって……」

「つまんない?」

紗夜がふふっと笑った。

理花の反応を伺うような目だ。

「別に」

ふんっとそらすと、紗夜はちょっとムカついたような素振りを見せて、トイレを出て行った。

「こっちのほうが怒りたい気分だよ」

ため息をつきながら、理花もトイレを出た。

「うわっ!」

瞬間、誰かにぶつかった。



まだ続く♡

怖くない


怖くない

大丈夫

あなたなら

大丈夫




携帯電話を通して

勇気をもらった気がした

つながっている電話の先に

優しい笑顔が

見えた気がした




同じ時間

同じ月を見た

ベランダに立って

夜空を見上げた



夜風が気持ちよくて

夜風に吹かれて

気持ちの風向きが

ちょっと前向きに変わったみたい

【1】飲み会への誘い

彼氏なんて面倒臭いからいらない。

ずっとそう思って生きてきた。

束縛、飲み会への制限、嫉妬と独占。

うんざりする。

高校からの友人である白井那絵(しらい なえ)もずっと彼氏がいなかった。

今まで気楽に遊んでいたのに、大学に入ってから那絵に好きな男ができた。

その男を含めた飲み会をしようと、高校からのもうひとりの友人、椎葉紗夜(しいば さや)から

連絡があったのが昨夜だ。

那絵も紗夜も同じ大学に通っている。

紗夜は彼氏と別れて一ヶ月になる。

別れた原因は彼氏の浮気だ。

男なんて信用しないとか泣いていたくせに、もう飲み会なんかセッティングして

出会いを求めようとしている。

女も信用出来ない。と高浜理花(たかはま りか)は思っている。



理花。21歳。職業イベント関係。

勤務地、勤務時間、休日、全てにおいて不規則な仕事をしている。

高校を卒業して、みんなが進学する中、理花は早く自立したくて仕事を始めた。

正社員並みに扱ってもらっているが、バイトである。

とりあえず入った会社だが、今年で3年目になる。

仕事は楽しいし給料もいい。

おかげでアパートを借りて、ひとりで自由に暮らすのに不足はなかった。

中学の頃から気づいていたことだけど、理花に言い寄ってくる男は多い。

すごく多いのだ。

だけど自分から好きになることはなかった。

相手に言われて何となく付き合うけれど、いつも長くは続かない。

好きな人と付き合うって、どんな気持ちなんだろう。

那絵が好きになった男って、どんな人だろう。

そんな好奇心もちょっとはあるから、理花は今日の飲み会に参加することにした。




那絵の目当ての男は、古城 樹(こじょう いつき)と言うらしい。

特にどうと言うことのない男だった。

顔もスタイルも普通並み。良く言えば真面目そうなところがとりえかなと言う感じだ。

男3人、女3人での飲み会。みんな大学生で、理花だけが社会人。

自分だけがその場のノリについていけず、浮いている気がしていた。

紗夜は、中屋暁登(なかや あきと)と言う男と仲がいいらしく、今日の飲み会も

2人でセッティングしたと言っていた。

那絵は樹としゃべっているし、必然的にもうひとりの男、

杉浦透弥(すぎうら とうや)のとなりに理花は座ることになっていた。

透弥はすごく綺麗な男の子だった。

樹や暁登に比べても、今まで出会った男の中でも一番じゃないかってくらいカッコイイ。

なのに、何で那絵も紗夜もこのひとを無視してるんだろうと思っていた。

けれどそれはすぐに理解できた。

場がこんなに盛り上がっているのに、一向に盛り上がらない男だったのだ。



続く~。

待ち合わせ


                              ちょっとドキドキ
 
                                落ち着かない

                              ちょっとワクワク

                               視線がクルクル

                                    ちょっとウロウロ
  
                                落ち着かない
  
                                 落ち着いて

                                落ち着けない

                                でも落ち着こう

 
                                  ひとり笑い

                                 思い出し笑い

                                 深呼吸して

                                アナタを待った

約束~逢いたい気持ち

夢をみた。

遠距離恋愛中の清二くんの夢。

夢の中で清二くんは、ガソリンスタンドでバイトをしていた。

暑さのせいで倒れた清二くんを、私は必死で介抱していた。

持っていたタオルで汗を拭いて、水に濡らしておでこを冷やした。

同じころ、同じ夢を清二くんも見たよって後で聞いたときは、びっくりした。

そして、あの夢のあと、どこかへなくしてしまったと思っていたお気に入りのタオルは、

何故か清二くんが持っていた。

夢なんだろうけど、知らないうちに私は清二くんの元にかけつけてたのかもしれない。

まさかそんなことがあるわけないけど、そう思ってしまうような不思議な夢だった。




高校一年の終わり、私は父の転勤について行った。

私と清二くんは、遠距離恋愛になった。

友達は、離れてしまうと気持ちも離れるよって言うけれど、そんなことは絶対ないと思ってる。

そばにいて欲しいときに、いない彼なんて役にたたないよって言う友達もいる。

「役にたたせるために、清二くんと付き合ってるんじゃないもん」

反論はいつも、自分の心の中でしていた。

言い返すとケンカになりそうで、なかなか口に出せないから、いつもストレスはたまる。

だけど、清二くんとの日々のメールのやり取りの中で、そんなストレスもすぐに癒される。

離れていたって、心がすぐそばにあるようで、安心できる。

清二くんとは、まだ、手もつないでない。

友達に彼氏が出来て、キスをしたとか、それ以上のこともしたとか聞かされると、

どんどん先を越されるようで、少しは焦る。

だけど、体はそばになくても、心だけはずっとずっと清二くんのそばにあって、

会えない日にちと反比例するみたいに、どんどんどんどん近づいているみたい。

あの日、駅でさよならをしたときよりもっと、大好きになっている。




来月、私の誕生日だ。

その日を目標に、会う約束をしていた。

秋の連休だけど、本当はもっと早く逢いたい。

9月になったら学校が始まるから、ゆっくり会っていられない。

だから夏休みのうちに、会いたいなって思っている。

新幹線で何時間もかかる距離だから、交通費だってバカにならないくらい高い。

高校生の身では、何度も通える距離じゃない。

だから清二くんはバイトをしている。

私も、負けないようにバイトを始めた。

本当は学校でバイトは禁止になっているけれど、清二くんに早く逢うためなのだ。

でも、学校にばれたらいけないので、すぐにやめられる短期のバイトにした。

化粧品のサンプルの配布のバイト。

白いTシャツに白と青のストライプ柄のミニスカートのコスチュームはカワイイけれど、

この真夏の青空の下。

照りつける太陽はハンパじゃなく痛かった。

それに、みんなが好意的に受け取ってくれるわけじゃない。

きちんと水分補給しないと、絶対倒れてしまうくらいハードだった。

3日やっただけで、かなり疲れたけれど、あと2日頑張れば、お金ももらえる。

清二くんも頑張ってるんだ。私も頑張ろう。

だけど……。

「佐代ちゃん、すごい日焼けしたね」

久々に会った友達に指摘された。

「そうかなぁ」

私は自分の腕をみた。

私はいつも図書館で本を読んでいるような、太陽が似合わない女の子だった。

白かった肌が、今では黒く焼けている。

秋に会ったとき、清二くんが引いちゃったらどうしよう。

こんな黒くなって、可愛くないって思われたら悲しいと思った。

急に黒くなった私を見て清二くんがびっくりしないように、私はその夜メールを送った。

バイトを始めたこと、そしてそのせいで日焼けしたことを写真つきで頑張って送ったのだ。

清二くんの反応が怖かったけど、清二くんは「気にしない」って返事をくれた。

そして返ってきたメールには、初めてデートをした水族館の写真が添付されていた。

『暑い夏だけど、魚たちは気持ち良さそうだよね』

って一言メッセージも添えられていた。



優しい清二くん。

私は昨日までよりもっともっと、会いたい気持ちが大きくなった。

そして、昨日までよりもっともっと、清二くんが大好きになっている。








↑清二くんにもらった写真。


「約束~逢いにゆくよ」の彼女側のお話でした。

興味あるかたは、彼側のお話なので読んでみてくださいね~♪

清二くんと会ったら、そのときまた続きを書きます(♪)

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