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ぎゅっと握った手


手を握るって、暖かいですよね。

赤ちゃんがいつも手をぎゅーっと握りしめているのって、

幸せを握り締めているんですよね?

幸せが逃げないように、ぎゅーーーって、握って開かないの。

大人が指を差し出したとき、一緒に握ってくれるのは、

幸せを分けてもらっているんだって。

優しい気持ちになるし、温かい気持ちにもなれます。

赤ちゃんの手を開いてみると、糸くずのようなものが入ってます。

あれも、幸せの欠片なんだって♪

大人になって、恋人同士で手を握りあうと嬉しいのは、

無意識のうちに赤ちゃんの頃を思い出して、

幸せな気分になれるから?






赤ちゃん、可愛いですよね♡

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私の王子様



白雪姫は 王子様のキスで 目が覚めて

私は あなたのキスで 恋に 目覚めた

唇が触れて あなたの優しさにも触れて

弱っていた 心と体が 癒されていった

そして 暖かい毛布に包まれてるような

温かい あなたの腕に 抱きしめられて

たぶん きっと 今までで 一番大きな

安心と幸せを感じられたような気がした


あと何回涙を流したら 

幸せだと思える日が 

来るのだろうか

恋にとどくまで~大和と苺花(26)

大和



 苺花の両親は、話し合いの結果、苺花の意思を尊重したいんだという理由で、

苺花の行方は教えられないという結論に達したらしい。

 俺は「ごめんね」と言う両親に見送られ、苺花の家を後にした。

 携帯電話をまだ持っていない苺花に連絡するすべはない。

 けれど、苺花の行方を両親は知っている。心配はいらないよって俺に言ってくれたけれど、

やはり心配なのは否めない。

 苺花が気になる。

 これはもう、決定的だなって思った。

 体で確かめるまでもなかった。

 覚えのある感情。

 だけど、初めて感じる感情だった。

 欲しいって思ってた梨々に対する感情とは、似ているようで、微妙に違う感情だ。

恋……なんてものじゃ表現出来ない。

「これが……愛情。愛?」

 言葉に出して一層真実味が増した。

 ムカつきながらもほっとけなかった。

 その理由がなんなのかが、たった今、やっとわかったという感覚。

 俺はそこにあった電柱に向かい合う。

「苺花、好きだ」

 言ってみた。

 反応はない。電柱なんだから当たり前なんだけど、虚しかった。

「アイシテル」

 電柱を抱きしめてみたら、ひんやりとして気持ちが良かったが、

気持ち悪い行為だと気付いて、すぐに離れる。

 電柱相手に告白したってしょうがないので、俺は自分の家へ帰ろうと、歩き出した。

 電柱になら言えるけれど、いざ苺花を目の前にしたら、きっと今のようには上手く言えないだろう。

 それに、苺花が本当に俺を好きなのかどうか曖昧なのだ。

 梨々や椎名や両親からは、苺花は俺を好きらしいと聞いた。

 それが本当なら、俺が告白すれば上手くいくはずなんだけど、

すんなりと上手くいくとは思えないんだな。

「素直じゃないからなー、アイツ」

 ため息混じりに呟いて、空を見上げた。

 そこには少し欠けた月が光っていて、俺を照らしてくれている。

「苺花、好き」

 月に向かって言ってみる。

 言葉に出して言えば言うほど、気持ちが確実に固まってくる。

 余計なことを言わないで、強引にホテルに入れば良かった。

 下手だと言われてもいいから、苺花のあの大きな胸を触ってみたかった。

「何、考えてるんだー、俺はー」

 それが目当てなのか? いや、違う。そこじゃない。と自問自答する。

 自転車の後ろに苺花を乗せたとき、背中に感じたあの、ふわふわの感触。気持ちよかったんだよなー。

「だから、そこじゃないってば」

 また良くないことを考えそうになって、慌てて頭を振った。

「はあ、重症かも」

 確信した途端、一気に気持ちが溢れそうになっている。

 全力疾走した後のように、心臓が大きく鳴る。

 梨々に対する気持ちなんか、これに比べれば可愛いもんだったと思う。

梨々に対する気持ちと違って当然だったんだ。

 なんたって、「愛」なんだから。

 ひとりで納得し、いい気分で歩いた。

 とっくに終電もなくなってしまった時間。

いつもの自転車もバイト先に置いてきてしまっていたから、歩くしかないんだけれど、

家まではまだかなりの距離がある。

 タクシーに乗ろうにも、さっき2回も利用してしまったから、何となくお金がもったいないな、

何て思う。

 交差点に立って信号を待っているとき、ふいにひらめいた。

 まっすぐ行けば俺の家だけど、ここを右に曲がれば椎名のアパートだ。

 そもそもアイツがやってみろ、なんて煽るのがいけない。

 余計なアドバイスをしやがって、と椎名に責任を押し付けてやった。

「そうだ。文句言ってやろう。で、お詫びに泊めてもらおう」

 自分の家に帰るよりは、椎名のアパートのほうがここからずっと近いと気がついて、

俺は交差点の信号が点滅し始めた右に曲がる横断歩道を、走って渡った。








次回に続きます。

★夏から書いていて、冬になったのにこの場面は、まだ夏なんだよね~。夏休み前から進んでないって

誰か気付いてましたか?

捨てられた心

壊れたものを捨てるように

私のことまで

簡単に捨てないで欲しかった



心があるんだよ

物じゃないんだよ

傷つくんだよ……



あなたは新しい物を見つけて

いいかもしれないけれど

恋にとどくまで~大和と苺花(25)

大和



 怒って走り去ってしまった苺花を追いかけたが、すぐに見失ってしまった。

 苺花が怒るのは、当然だと思った。

 苺花が言った「高級ホテルに行こう」というのは、冗談なんだとわかっていたし、

俺もそれに乗ったつもりだった。だけどいつの間にか苺花の中では冗談じゃなくなっていたようで、

それをわかっていながら照れ隠しに、冗談のつもりで言葉を続けてしまった。

 自分はいつも冗談で俺のこと振り回すくせに、俺が冗談を言うとマジになって急に怒り出すんだ。

「話は最後まで聞けっての」

 ため息混じりに吐き捨てる。

 だいたい、いつもそうだ。話をしようとすると茶化される。そらされるし、からかわれるんだ。

 真面目に話そうと思っても、すぐ遮るんだ。

 それはたぶん、俺の言い方が悪いせいなんだろうけど、それだけじゃないと思いたい。


 苺花を見失った場所からしばらく探し歩いていたが、苺花は見つからない。

タクシーに乗って帰ってしまったんだろうか。

 ちゃんと家に帰っていればいいけれど、苺花のことだ。

 やけになって、そのへんの男について行ったかもしれない。

「ああもう、心配ばっかりかけやがって」

 確かめなければ気が済まない。

 ちょうど走ってきたタクシーに手を上げて止めると、苺花の家の住所を運転手に告げた。

 シートにもたれ、タクシーに揺られながら考えた。

 どうも、この前苺花の家に行ってから変だ。

 苺花のことが気になってしょうがない。

 両親に頼まれたせいだろうか。それとも椎名に煽られて確信してしまったのか。

 友情でも同情でもない、愛情。

 好きかどうかわからない、なんて苺花に言ったけれど、本当はもうわかっているのかもしれない。

 さっき一緒にタクシーに乗って、隣にいる苺花の体温を少し感じて、何故だか急にドキドキした。

 苺花に触れたいって思った。

 気付いたら苺花の手を握ってた。

 冗談に乗せてでも、苺花を抱いてみたいって思ったんだ。

 それって、好きだからだよな?

 たんなる好奇心とか、欲求不満だからじゃないよな?

「わかんねー……」

 そこまで思っても、自信がなかった。

 ……そっか。

 自信がないんだ。

 苺花はいろんな男と付き合ってた。しかもみんな、わりとレベルの高い男ばかりに見えた。

 俺よりみんな年上で、エッチも上手で……。

「やっぱ、ソコだよな~」

 今まで以上に大きな深いため息が出た。

 はっきり言って、ソレには自信がない。自信以前に経験がなかった。

 好きな相手としか、やりたくなかった。ずっと梨々が好きだった。結局梨々とは付き合えなくて、梨々

が結婚した後も想いを引きずって、新しい恋も出来なかったんだ。

 言い訳みたいになってしまうけれど、しょうがないんだ。

 来るべきときのために、一応研究はした。だけど、頭でわかっているのと実践するのとでは、大きな差

があるに違いない。

 余計な知識が多いほど、うまくやれなかったときのことを考えると、不安が増してしまう。

 抱きたい、抱いてみたいと思ったものの、抱けなくて良かった、ホッとしたって思っているのも

事実なんだよな。

 経験豊富な苺花だし、エッチの良し悪しで彼氏を決めるようなヤツだし、俺なんか明らかに……。

『下手くそ』

 苺花にぐっさり言われる場面が目に浮ぶようだ。

 いっそ、そこのところはなくていいように、「清い交際」なるものを目指してみたりして。

「それで済まないよなー」

 何度目かのため息と独り言を呟いたとき、苺花の家が見えてきた。





 苺花の母親は、玄関を開けるなり、俺に言った。

「苺花なら帰って来ないわよ」

「あ、連絡ありましたか?」

「あったわよ。大和くんと会いたくないから、お友達のうちに泊まるんですって。大和くんが来たら、バ

イバイって伝えるように言われたんだけど、バイバイでいいのかしら?」

 苺花の母親が、探るような目つきで俺を見ている。

 いいのかしら? って聞かれても困る。

 たぶん、良くないからここまで来たんだし、このまま「そうですか」って引き下がるのも軽い気持ちな

んだって思われてしまうだろうし。

「友達の家、教えていただけませんか?」

「ダメよ」

「ダメ……ですか」

 あっさりと却下され、がっくりとうな垂れる。

 足元に目を落とし、どうしようと思い悩んでいると、ふいに背後から声が聞こえた。

「大和くんじゃないか」

 この声は、苺花のお父さんだ。

 振り返り、俺は頭を下げる。

「こんばんは」

「どうしたんだ。こんなところで立ってないで、中に入りなさい」

 背中を押されたが、それを母親が止める。

「ダメなのよ、あなた。苺花からダメだって言われているの。大和くんには、帰ってもらわなきゃいけな

いの。約束なのよ」

「どういうことだ?」

 苺花の両親が、俺を間に挟んだ格好のまま会話をしている。

 どうしてダメなのか、一部始終を詳細に伝える母。そしてそれを真面目な顔で聞きながら

頷いている父。

 居心地が悪いながら、こんな風にコミュニケーションが取れていることに感心してしまう。


 仲良し家族なんだなって。





続く~(≧▽≦)/

恋にとどくまで~苺花と大和(24)

苺花



 普通のシティホテルの前にタクシーは止まった。

 大和がお金を払い、先に降りる。

 私は、身体が固まったように動けなかった。

「苺花、降りなきゃ」

 大和が車内を覗き込むようにして、私に言った。

 大和とは別の視線を感じて、チラッと目を上げるとミラー越しに運転手と目が合った。

 その目が好奇心に満ちているような嫌な気がして、それから逃れるようにして車を降りた。

 大和の前に立った瞬間、背後でドアが閉まった音にドキンとする。

 振り向いて、行ってしまうタクシーをじっと見てしまう。

 ああ、タクシー行っちゃった。どうしよう、どうしよう。

「空いてるかな」

 独り言なのか、私に聞いてるのかわからない大和の呟きを、聞こえない振りでやり過ごす。

「行ってみるか、苺花」

 ふいに手首をつかまれ、引っ張るようにして大和はホテルの入口に向かおうと歩き出す。

「や……待って、嫌だ」

 身体が勝手に抵抗する。

 足を踏ん張るようにしていると、大和が怪訝そうな表情で、私をじっと見た。

「嫌だ? 何で? 苺花が行きたいって言ったんだろ?」

「い……言った……かなあ?」

「とぼけんなよ。言っただろ。だからこうして──」

「大和はどうなのよっ!」

 私が行きたいと言ったから、しょうがなく来てやったんだって言うニュアンスを感じたのだ。

 それじゃあ、今までと同じだ。

 私の言う通りに、しょうがなく、同情で付き合ってくれるんじゃダメなのだ。

 せっかく大和がその気になっているかもしれないけれど、そこに愛がないのは、嫌なんだ。

 私のことを、好きじゃなくても、抱いてもらえるならいい。とは思えない。

 いろんな男の人と身体を重ねてきたくせに、今さらって思われるかもしれないけれど、

特別なんだもん。

 大和は、私の特別。

 他の男みたいに、軽々しく私に触れちゃダメなんだから……。

「椎名が……」

「椎名くん?」

 大和の口から出たのは、予想もしてなかった椎名の名前。

「うん。今日、苺花に逢うって話したんだ、バイトの休憩中に」

 大和は私から目をそらし、気まずそうに目を泳がせている。

「俺さ、苺花のこと、椎名に相談したんだ。この前のこととか、いろいろ。そしたら……」

 大和は一旦、言葉を止めて、ホテルを振り返った。

「やってみたら、わかるんじゃない? って、椎名が言うんだ」

「やってみたら?」

 何を? とは聞くまでもない。

「俺、自分の気持ちが良くわからないんだ。苺花のこと、嫌いじゃないし、むしろ好きかなあって思うん

だけど、それが恋愛の好きなのか、友達としての好きなのか、曖昧でさ。それでも、この前苺花に追い返

されて、かなりショックだったし、あのままもう会えないのかと思ったら、悲しかったし……」

 大和は、こっちを見ないまま喋り続けている。

 ずっと、ホテルに目を向けたままだ。

 どんな顔をして言っているのか、見たかった。

「私が好きなのっ?」

 冗談っぽく、勢いに任せて思い切って聞いた。

「ねえ、大和!」

 大和の頭をつかむようにして、無理やりこっちに向かせた。

「痛いじゃん、乱暴すんなよっ」

 大和に手を振り払われる。

 だけど、大和は私を見てくれた。

 その目は、怒っているのでも、笑っているのでもなく、真剣な眼差しに見えた。

「言ってよ。ねえ、言って。友情なの?」

 確かめるように、私も真剣に大和に聞いた。

「たぶん、愛情だろって椎名が言うんだ」

「愛情? そう椎名くんが言ったの?」

「そう。そう言ったんだ。そうじゃないと、苺花のことなんかほったらかすだろうし、そんなに気にしな

いだろって」

「気にしてくれてたの?」

 そうだったら嬉しいんだけど、でもそれは椎名が言ったから、そう思ってしまっただけであって、大和

がそうだって気がついた気持ちじゃなくて……。

「苺花のこと、前は単純に友達ってしか思わなかったんだけど、いつの間にか、だんだんわからなくなっ

てた。苺花が、他人に迷惑をかけるのを止めたいと思ったし、困ってるときは、頼ってくれてもいいと思

ったし、苺花の気持ちを椎名とか梨々とかが代わりに言ってくれたし、苺花の両親だってだし。だんだん

わからなくなってたんだけど、今日、椎名があんな風に煽るからさー」

「椎名くんに煽られて、勢いだけでここまで来たっていうことなの? 大和の気持ちはどうなのよ。大和

は確かめるだけのためにここまで来て……」

「そうなってもいいかもって、思ったのは本当」

 素っ気なく、大和が言った。

「苺花、別に初めてじゃないし、俺と何回もホテル行きたがってたしさ、まあ、いいかなって」

「……まあ、いいかなって?」

 ショックだった。

 確かめるためだけに、ここまで来たんだ。

 別に、初めてじゃないしって……。なにそれ。

大和は、確かめて私と寝てみて……。違ったらどうする気だったんだろう。

初めてじゃないんだし、傷つかないとでも思った?

 落ち着こうとするけれど、体が震えてしまう。

 これは、怒りだ。

 怒りで、身体が震えているんだ。

「寝てみてやっぱり友情だったら、どうするつもりだった?」

「それは……」

「そこまで考えてなかったんでしょ?」

 思い切り、軽蔑をこめた目で大和を睨んでやったら、大和はまた私から目をそらした。

「ごめん、苺花。苺花が冗談で言ってるのはわかってたんだ。高級ホテルに行こうって。で、椎名が言っ

たとおりに確かめるチャンスかと思って、利用しようとした。それは悪かったと思う。だけどさ、だけど

苺花、俺は──」

「もういいよ。大和のバカっ!」

 大和が全部言い終わらないうちに、大和の言葉をさえぎり、大和の身体を思い切り突き飛ばした。




★大和のバカ!ってところで続くのです。

恋にとどくまで~苺花と大和(23)

苺花




9時半ごろ大和から電話があり、カラオケに行くことになった。

「今日、バイト代が入ったんだ。おごるよ」

 家まで迎えにきてくれた大和は、今までと何の変わりもない調子で私に言った。

「泊まるなら、連絡するのよー」

母が笑いながら私たちに言った。

 普通の親だったら、こんな時間に男の子と出かけることを許すわけがないよね。

 大和は信頼されているんだ。

 一週間前、あんな風に追い出すような形で別れてしまったけれど、大和のほうから

ちゃんと両親に謝りの電話が入ったと聞いている。そういうところが高ポイントなんだろうと思う。

 私には、何もなかったけどさ……。

 だけど今日こうして普通どおり会えた。

 会って、態度が変だったり上手く喋れなかったりするんじゃないかと思っていたけれど

杞憂に終わってほっとした。

「じゃあ大和くん、よろしくね」

 いってらっしゃい、と手を振る母に、大和は笑顔で会釈していた。





 歌いまくるはずだったのに、私も大和も、いつものようなノリがなかった。

 余計にストレスが溜まったような気分のうちに、二時間が過ぎた。

「バイト代、入ったって言ったよね」

 歌い終わって支払いを済ませてくれた大和に、私は言った。

「泊まって行こうか。高級ホテル」

「高級ホテル?」

 いつもなら、アハハと冗談で流すはずなのに、今日の大和は戸惑ったような表情を浮かべた。

「お母さんが、泊まってきてもいいって言ったじゃん」

 ふざけた調子で大和の顔を覗き込みつつ、ふふっと笑って見せると、やっと大和は冗談を

察してくれたらしく、ホッとしたように答えてくれた。

「親子で冗談好きだよなー」

「本気だよー、冗談なんか言わないもん」

「そっか。じゃあ行こうか」

「うんうん。行こう行こう~」

 わざとらしく腕を組んでみる。

 内心、ドキドキだった。

 大和の腕から伝わってくる温もりに、クラクラする。

 心臓の音が、大和に聞こえないかとか、鼓動が腕を伝わってばれてしまうんじゃないかとか、

そんな心配が湧いてきた。

「希望のホテルって、あるの?」

 歩きながら大和が私に聞いたから、

「夜景が綺麗に見えるホテルがいいなー」

 軽く笑って答えた。

「歩いていける?」

「行けないよー、遠いもん」

「じゃ、タクシー拾おうか」

 大通りのほうに目を向ける大和の横顔を、私は見つめた。

「あ、ちょうど来た。あれ止めよう」

 手を上げた大和に、ドキンと心臓が反応する。

 まさか、本気でホテルに行くつもりなんだろうか。

 目の前で止まったタクシーのドアが開く。

「苺花、先に乗る?」

 大和の手が、背中に触れた。

 そっと押されるようにして、先にタクシーに乗せられる。

 すぐに大和が横に乗ってきて、ドアが閉まって、大和が行き先を告げる……。

 頭の中が混乱したようにぐるぐる回る感じがした。

 冗談だって、私言ったよね?

 大和も冗談好きだよなって、軽く笑ったよね?

 冗談だよね? ホテルじゃなくて、夜景を見に連れてってくれているだけよね?

 いろんな考えが一瞬のうちに頭を駆け巡った。

 膝の上に置いた手は、緊張でぎゅっと握りしめたままだ。

 大丈夫。

 もしホテルに入ったとしても、大和は無理やり何かするようなひとじゃないし、

それにホテルに入るのも初めてじゃないんだし、夜景を見てバブルバスにして遊んで、

ゆっくり楽しめばいいんだし……。

「苺花……」

 大和の声がすぐ近くで聞こえる。

 ハッとして顔をあげると、間近で大和の目と合った。

「ひゃっ」

 小さく悲鳴のような声が出てしまって、慌てて顔を背ける。

 と同時に私の握り締めた手に、大和の手が重なった。

 身体中の血液が、沸騰しそうになった。

 どういうこと、どういうこと?

 マジなの?





つづく♡

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