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恋にとどいた私の日記。


高校の入学式であなたにひと目ぼれをしました。

気付いたら私は、携帯であなたを盗み撮りしていました。

あなたの横顔をずっと待ち受け画面にしていたけれど、

携帯を開くたびに思っていたのは、あなたのその視線の先にあるもの。

あなたがずっと見ていたそこには、私の親友の姿がありました。

待ちうけ画面を見るたびに切なくなっていたけれど、

私はあなたの横顔を消せませんでした。






あなたが見ていた私の親友は、私と同じように長い間片想いをしていたひとと結婚しました。

それからの私は、あなたを慰めているのか、困らせているのかわからないような立場で、

あなたを振り回していました。

友達でもいいから傍にいたかったんです。

嫌われてもいいから、私のことを忘れないでいて欲しかったんです。

だけど隠していたはずの私の気持ちは、あなたに届きました。

長い長い片想いがようやく実ったのは、初めて出会ってから約3年後のことでした。




携帯画面を開くと、あの頃とは違うあなたの笑顔が見えます。

よそ見をしていないあなたは、まっすぐ私に向かって微笑んでくれています。

盗み撮りなんかじゃなくて、ちゃんとポーズをとってくれたあなたが

今も昔もずっとずっと大好きです。

これから先の未来も、ずううっとあなたの隣にいられますように。





☆わかるひとには、わかる日記?
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恋にとどくまで~最終話




バイトの給料が出てからすぐ、それを待っていたかのように苺花が言った。

「高級ホテル行こうよ」

いつかのリベンジだって苺花が笑う。

あの時はまだ苺花のことが本当に好きなのかどうか、自分の気持ちが曖昧だった。

だから抱いてみて気持ちを試そう、などと今考えるとバカなことをしようとしていたと思う。

そんなことをしなくても、ちゃんと気持ちに気がつけた。

あのとき、苺花が逃げてくれたおかげだろう。

「俺、バイト代貯めて、早く車欲しいんだけどな」

ホテルに行こうと誘われて、うん、行こうとはテレ臭くて言えなくて、そんな言葉でごまかした。

もちろんバイト代は車の費用に当てる。それは本当でごまかしって言うわけではないけれど。

「そんなに車が欲しいの?」

「早く買えって言ってたの、苺花じゃんか」

「そりゃそうかもしれないけどさ、ちょっとくらいいいじゃん。車より、私に乗りたくない?」

「……ば、ばっかじゃね?」

ストレートに言われて、さっきよりもっと照れた。

「へー、乗りたくないんだ。大和は私より、車を愛してるのね」

「車と比較すんなよ」

そういう問題でも、そういうことを言ってるんでもない。

「じゃあ、行こうよホテル。高級じゃなくてもいいからさ、ボロホテルでもいいから」

行こう行こう、と苺花が腕を組んでくる。

そうされると感じる。腕に苺花の胸の感触。

「そこまで言うなら」

わがままを聞いてやるんだから、という素振りでうなずいたけれど、本当は触ってみたかった。

苺花の胸。

柔らかな大きな……。

けれどそんな下心は見透かされないようにして、しょうがないって素振りで苺花について行った。





苺花はどうってことないような顔をして、ホテルの部屋に入るなり、シャワーをしに行ってしまった。

ひとり部屋にとり残された俺は、落ち着かずうろうろしていた。

テレビがあったので、見ていようかと思ったがやめた。

置かれているホテルの案内なども、手にとって読んでみるが、同じところばかり読んでしまって、

ちっとも理解出来ない。

「お待たせ~」

「わ、またそんな格好で……」

体にバスタオルを巻きつけただけの苺花。

いつか無理矢理誘われて入ったホテルでも、苺花はそうやって出てきた。

そうやって出てくるのが一般的なルールなんだろう、と何もわからない俺はそう理解した。

「いいの。どうせ脱ぐんだから」

言って苺花は俺にも早くシャワーして来いと背中を押した。

バスルームに入ると、ふんわりいい香りがした。

設置されているボディーソープの香りなのか、苺花の残り香なのか、わからないけれどいい匂い。

これから行われるであろう行為を想像し、下半身が危うく反応する。

「やっべー。上手くやれるかな」

やっぱりそれが心配だ。

けれど今日はもう覚悟を決めるしかないよな、と気合を入れる。

いろんな雑誌を読んで研究した。

「そうだ。一回……」

すぐに果ててしまわないように、一回ひとりでやっておいたほうがいいとか、

そんなことを書いてあった記憶があったので、そうしようかと一瞬思ったけれど、考え直した。

早く戻らないと怒られそうな気がしたのだ。

手早く体を洗ってから、苺花と同じように体にタオルを巻いてから部屋に戻る。

「遅~い。大和、一回抜いてたんじゃない?」

ぷぷっと笑って苺花があからさまに言う。

「そんなことやってねーもん」

女の子がそういうことを平気で口にすんなよ。

羞恥心って言うものはないのか。

しょうがないか、苺花だし。と、自分を無理矢理納得させた。

「早くしようよ~、大和」

ベッドの上で、苺花が手招きしている。

俺はゆっくり、ベッドに近づいた。

「緊張するね」

苺花の口から、意外な言葉が出た。

「ドキドキしてきちゃった」

ベッドに乗って苺花の側に行くと、苺花が少し身をひいた。

てっきり抱きつかれて押し倒されるじゃないかと思っていたから、そんな苺花の反応に

少し戸惑ってしまった。

バスタオルにくるまれた体。バスタオルの下が気になって俺もドキドキする。

「や、優しくしてね」

「あ、うん。する」

ゆっくりと苺花の体をベッドに横たえると、苺花はぎゅっと目を閉じた。

よく見ると、体が小刻みに震えている。

想像していたよりも大人しい苺花の様子に、再び戸惑った。

手を触れてもいいのかと思うくらい、苺花が初々しく見えた。

「……大和」

うっすらと開けた苺花の目は、びっくりするほど潤んでいた。

こっちに向けて伸ばした手に誘われるように、苺花に覆いかぶさり抱きしめる。

腕の中につつんだ苺花の体は、温かくて柔らかくて、その初めての感触に陶酔する。

さっきまで、上手くやれるだろうかと悩んでいたけれど、頭で考えるより先に勝手に

体と手が動いてくれた。

唇に触れ、胸元におりていくうちに苺花の口から漏れる声。

顔を上げてみると、半開きになった唇が色っぽくてくらくらした。

あんな顔をするんだ。

あんな……。

苺花の口から漏れる声と、色っぽい顔に煽られるまま苺花を抱いた。

ただ夢中で、愛おしくて、何も考えることなく、苺花に溺れた。






「はあ……」

全てが終わったあと、苺花が大きな深いため息をついた。

もしかして、呆れられたのだろうか。

もしかして、やっぱり上手くやれなかったんだろうか。

「大和……」

「な、な、何?」

一応、腕枕ってやつを苺花にしてやっている。

すぐそこで『下手くそ』なんて言わないでもらいたい。

「大和、すっごい良かった~。はあ~。最高♡」

「は?」

聞き間違い? 空耳? 

苺花が耳を疑うような言葉を口にしたのだ。

「今までのエッチと全然違った~。はあ~、すっごい気持ちよかった~」

「良かった? マジで?」

信じられなくて聞き返す。

「キスだけで、いっちゃうかと思ったよ」

「ほんとに?」

「これが愛の成せる感覚なのね」

苺花は再び大きなため息をついた。

それは、ひどく色っぽいため息。

色にたとえるとピンク色だ。

「ねえ、大和はどうだった? 気持ちよかった?」

「うん。良かった」

軽く答えてしまったが、良かったなんてものじゃなかった。

苺花の胸を見た瞬間、鼻血が出るかと思った。

幸いなことにそれは免れたけれど、頭の中で因数分解でも解いてなきゃすぐに爆発しそうな

くらいに体も心も焦っていた。

たぶん、苺花が協力してくれたおかげで上手くやれたんだ。

そうじゃなきゃ、違うところに……。

「大和、今日は泊まっていくんだよね」

「うん」

明日は休み。何も予定がない。

「もう一回、しない?」

「いいの?」

「いいのよ。朝までたくさん時間があるんだから。何回でもいい」

朝まで何回でもいいんだ?

「私のカラダ、好きにしてもいいのよ」

「好きにしていいの?」

「そうよ。恋人同士なんだもの。自由にしていいの。そうされたいの。きっと縛られても幸せだと思う」

「そういうものなんだ……」

苺花って、ベッドの上でも主導権を握って、男を振り回して自由に操るタイプかと思っていたが、

どうやらそうではないらしい。ベッドの上では従順なタイプに変わるのかな。

「好きなひとと好きなだけエッチできるなんて、幸せ。こんな日が来るなんて、夢見てるみたい」

こんな風に素直に気持ちを表現されるのも悪くない。

素直な苺花は、メチャクチャ可愛かった。

苺花のことは何でも分かっているつもりでいた。

だけど、あれはほんの表面だけだったんだ。と言うより、猫を被ってた?

普通、猫をかぶったっていうと、その下はとんでもない怖いものだったり、嫌なものだったりする。

だけど苺花の場合は、その逆だった。

嫌なやつの皮が取れて、可愛い苺花が出てきたんだ。

「夢じゃないよね。大和、本当にそこにいるよね」

「いるよ」

苺花の手を握った。

「あったかいね。本当だね。でも、寝たら覚めちゃうかもしれないのが怖い」

「じゃあ、寝ないでずっと起きていよう。でも、もしも寝てしまっても大丈夫。ちゃんと

起こしてやるし、ちゃんとそこに俺はいる。夢じゃないからずっと覚めないよ」

苺花の体を抱き寄せて頭を撫でた。



ずっと何年も想い続けてくれていた苺花。

自分の気持ちを見せないようにして、不器用な恋愛ばかり続けてきていた。

俺を忘れようとして、忘れられなかった。

それほどの価値が、俺にあるとは思えないんだけど、いいって言ってくれるんだ。

これまで苺花の嫌なところばかり見てきたから、今の素直な苺花はかわいいと思う。

これから苺花に対する評価は、どんどん上昇してゆくんじゃないかと思う。

苺花の俺に対する気持ちが冷めていかないように、これからも忘れないようにしよう。

愛と思いやりと、優しい気持ちを。






苺の花です♡写真はいただきものです。ありがとうございます。






おわり。

たぶんきっと、これからも上手く行くよね♡

恋にとどくまで~その後の大和(中編)

苺花と付き合い始めて一週間。

苺花が苺花じゃないと思えるくらい、苺花が素直でかわいくなった。

口を開けば出てくる言葉「好き」。

目が合えば、潤んだ瞳でじっと見つめてくる。

そばに寄れば、身体にぎゅっとしがみついてくるように抱きつかれる。

「ラブラブ全開、バカップル」

バイトが終わった帰り道、椎名が呆れたように、からかうように言ってくる。

「そこまでされてんのに、何もやれない大和はやっぱりヘタレじゃん」

「ヘタレって言うなよ。そうかもしれないけどな、初めてなんだからな」

「威張って言うことでもないと思うけど」

あはは、と椎名は笑って俺を振り向いた。

「なんだったら練習する?」

「練習って、アレの……練習?」

「アレ? ああ、エッチのことね」

「や、そこまでじゃなくても……」

「じゃあ、キスくらいやれるようにしようか」

「しようかって椎名。そんなんどうやって練習すんだよ」

「僕の唇、使ってみる? 何なら身体もお貸ししましょうか」

「いや、気持ちだけで」

椎名の申し出を丁寧に断った。

確かに練習をすればいいのかもしれない。

回数を重ねるごとに、自信もつくだろうし、上手になるんだろう。

だからと言って、椎名で練習するわけにはいかない。

椎名だけじゃない、ほかの誰でも練習なんかやれるものか。

古い考えなのかもしれないが、好きじゃなきゃ嫌なのだ。

好きじゃないと、付き合えないしキスなんか出来ない。ましてやエッチなんか無理に決まっている。

誰でもいいなら、とっくに適当な女の子と経験済みなんだろうけれど、生憎そうじゃなかった。

「上手か下手かなんてさ、関係ないよ。愛情でじゅうぶんカバーできるんじゃないかな」

椎名は、俺が「そこ」を非常に気にしていることを知っている。

「愛情で……カバーできる?」

窺うように椎名に聞いた。

「できるよ。だってさ、追求すんのは快楽だけじゃないだろ。愛情だろ?」

「ああ、まあ……」

快楽も追求したいけど。

「良く、身体の相性がいいとか悪いとか言うけどさ、あれって、愛情があるかないかの

違いだと思うんだ。だって、僕たちなんか男同士だろ? そういう風に身体が作られて

ないのにヤルわけじゃん? あんなの愛情がなきゃヤレないよ」

ほかのヤツは知らないけど、少なくとも僕はそうなんだ。と椎名が言った。

まるで普通のことのように椎名は話すが、男同士ってところはまだ、普通には受け入れられない。

でも、不可解ながら、否定する気はなかった。

恋愛は自由だし、好きになったのがたまたま男。

俺の場合も同じ。好きになったのがたまたま苺花。

エッチが好きで、エッチの上手な男が好きだった百戦錬磨な苺花だったってだけ。

「とにかくさー、気負いすぎないようにね。そのときになったら自然にやれるってば」

ひとごとのように椎名は笑った。

まあ、ひとごとなんだろうけど。







そういうわけで、後編に続くのでした。(次回たぶん最終回)

恋にとどくまで~その後の大和(前編)

恋にとどいてしまった大和



苺花を助手席に乗せて、苺花の家に車を走らせている。

さっきからずっと、横顔に苺花の視線を感じる。

見られている。しかも、穴が開くかと思えるほどにじっと見つめられているようだ。

「ねえ、大和」

苺花の声に心臓がドキンと反応する。

声がメチャクチャ甘い。そんな可愛い声で話しかけられるのは正直初めてで、嬉しいというより

何か企んでいるんじゃないかと怪しんでいる。

「なんだよ」

「うん。大和、私のことが好きなんだよね」

「は?」

「違う。そこは、は? じゃなくて、好きだよ、大好きだよって言うのよ」

「……ああ」

「ああ、じゃないよ。そうだよ、大好きって言ってよ。それとも大和は私が好きじゃないの?」

「……す、好きだよっ」

何度も言わせないで欲しい。

「ほんと?」

まだ疑っているんだろうか。

「ほんと。大好き大好きだよ」

「私も大好き。じゃあ、キスして」

「っ……うわ」

急にキスなんて言うから、ハンドル操作を誤りそうになって慌てた。

「危ないな!! ちゃんと運転しなさいよね!」

まだ死にたくないわよ。と苺花がいつもの口調で言う。

人間、咄嗟のときって本性が現れるんだっけ。

気を取り直してハンドルを握った。

「落ち着いてね、大和」

「落ち着いてるよ」

「嘘だ~、さっき動揺したよ。キスって言葉にすっごい動揺したくせに」

「してねーよ」

本当は、動揺したけど認めたくない。

「そう? キスくらいどうってことない?」

「ないない。どうってことないよ」

かなり、どうってことあるけど。

「そっかー。じゃ、後でしようね、キス」

「え、いいの?」

「嫌なの?」

「嫌じゃないけど」

「けど、何?」

「けど、何でもない」

嫌じゃないけど、キスしたら鼻血が出るかもしれない。緊張して、上手くやれないかもしれない。

なんて、言えるわけがないだろう。

だって、カッコ悪いだろ。たぶんエッチに関しては百戦錬磨だろうと思われる苺花が相手なんだ。

最初の段階から負けているのは、わかりきっていることだけどさ。

今さらだけど、考えてしまう。

ちゃんとやれるだろうか。

下手くそって言われたら、落ち込むだろうな。

やったら最後、付き合えないとか……言われたりして。





★そして結局この日、苺花を送り届けて以来、キスさえしてやれないまま、数週間が過ぎるのでした。

  続く~~~(笑)

恋にとどくまで~苺花と大和(31)

苺花



一瞬、逃げようと思ったが、どう考えてもそれでは終わりだ。

私を放置して、車で去ってゆくこともできるのに、ちゃんと降りてきて

向き合ってくれようとしているのだ。これ以上困らせたら、もうたぶん追いかけてくれない。

いくら大和でも、本気で嫌になるに決まっている。

「バカすぎ!!」

いきなり怒鳴りつけられた。

ただのバカじゃない、バカすぎ?

「何よ」

口を尖らせて大和を見上げた。

「何よじゃねーよ。バカだからバカって言ってんだ。いい加減にしろよ苺花。何がじゃあね、だよ。

おまえさ、ほっとくとまた他の男について行くんだろ。やめろよそういうの。他人に迷惑かけるなよ」

「ええー、迷惑なわけないじゃん。男は喜ぶ……」

「他の男、喜ばさなくていいんだよっ! ったくムカツク女だな。何でこんなヤツ好きなのか、

自分で自分がわかんねーよ。さっぱりわかんねー。もう理解不能どころじゃねーよ」

「ムカツク女なら、ほっとけばいいのよ。わかんないなら、理解……あれ?」

何だか、大和の言葉に引っかかるものを感じたんだけど、何だろう。

「ほっとけばいいんだよな。わかってるんだ。けどさ、好きなんだ苺花」

「……大和?」

大和の口から、今はっきり聞こえた「好き」は、私に向けられたもの?

確かに言ったよね。確かに聞こえた。

頭の中が真っ白だ。

「どこにも行くな。俺のそばにいろ。俺が……苺花に一生振り回されてやるよ。他人に迷惑かけるより、

そのほうがマシなんだ。俺が犠牲になる。なってやるから、俺と付き合え!」

怒りながら、ケンカを売られているのと勘違いしそうなくらいの荒っぽさで、確かに

大和は私に告白しているようだ。

立っているのがツライくらいに頭がクラクラしている。

「私、梨々じゃないよ」

「わかってるよ。いつの話してるんだ。梨々のことはもうとっくに過去のことなんだからさ」

大和が言いながら、私に向かって手を伸ばしてきた。

抱きしめられる、と思ったと同時に、私は大和の腕の中にいた。

「返事は……?」

「だ……だって。信じられない。いいの?」

「いいから告ってんだろ」

「気の迷いじゃないの?」

「迷ってたけど、確信したから」

「決心、揺らがない?」

「何度も揺れたけど、もう平気。大丈夫」

「やめるなら今のうちだよ、大和」

何度も何度も確認した。

大和は、何度も何度もうなずいてくれた。

「やめない。それとも、苺花は迷惑なのか? 俺のこと、好きじゃない? 俺の勘違いなのか?」

今度は大和のほうが、何度も確認してきた。

「迷惑じゃないよ」

信じられないけれど……。

「大和が……好き」

恥ずかしいけど、やっと言えた。

顔をあげたら、余計なことを言ってしまいそうになるので、大和の胸に顔を埋めたまま、

腕を大和の背中に回して、ぎゅっときつく、すがりつくように抱きしめていた。

「勘違いじゃない。大和が大好き。大好きなの。ずっとずっと……好きっ」

好きだったんだよーって言いながら、私は我慢できなくなって泣いてしまった。

「うん。ありがとう。ずっと、好きでいてくれたのに、気付かなくてごめんっ……」

大和が私の髪を撫でながら、私につられたのか、涙声になった。

大和はずっと梨々しか見ていなかったんだから、私の気持ちに気付かなくて当然なのだ。

それに、気がつかれないような態度をとってきた。

ごめん、なんて謝る必要はないと思ったけれど、それは言葉にならなかった。

今になれば、もうどうだっていい。

過去のことはどうだっていい。

「あの、さ、苺花」

大和が私の身体を離そうとした。

私は放されないように、さらにキツくしがみつく。

「苺花、ちょっと離れて」

「嫌! 離れたくない」

「や、それはそうでも、ちょっ……」

「嫌嫌!」

せっかく抱きしめてもらえたのに。

ずっとこうしていたいのに、大和はどうして離れたいの?

私が好きな気持ちより、大和の好きは小さいの?

「大和が好き」

「……うん、俺も好き。好きだけど、ちょっと」

「何よ。何なのよ!」

はっきり言わない大和に、少しだけイラついて顔を上げる。

「私、嬉しいんだから。大和とこうなれたこと。なのに、大和はそれほどでもなさそうなのが嫌」

「いや、そうじゃなくて。あの、車に戻らないか?」

「車?」

はっと我に返る。

表通りではないから、走る車も歩くひともそう多くはないながら、やはり人目が

皆無というわけではない。

そんなことに、やっと気がついた。

「ここじゃ、何か落ち着かなくね?」

「それを早くいいなさいよ」

もう! と怒りつつ、私は先に車に戻った。

大和のほうが、私より冷静なのが気にいらない。

私としたことが、周りの状況さえ気にならないくらい、舞い上がっていたのが、かなり照れ臭かった。





次回、大和編。「恋にとどいてしまった大和のその後」を書きます。(予定ですが未定です)

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